パルコから2016年6月11日に劇場公開された「エクス・マキナ」の感想記事です。
第88回アカデミー賞視覚効果賞受賞作品です。
オススメ度
あらすじ&予告編
世界最大手の検索エンジンで知られるブルーブック社でプログラマーとして働くケイレブは、滅多に人前に姿を現さない社長のネイサンが所有する山間の別荘に滞在するチャンスを得る。
しかし、人里離れた別荘を訪ねてみると、そこで待っていたのは女性型ロボットのエヴァだった。
ケイレブはそこで、エヴァに搭載されるという人工知能の不可思議な実験に協力することになるが…
作品情報
原題:Ex Machina
製作国:イギリス(2015年)
配給:パルコ
監督:アレックス・ガーランド
本編:108分
出演:アリシア・ヴィキャンデル、ドーナル・グリーソン、オスカー・アイザック、ソノヤ・ミズノほか
レビュー
女性型アンドロイド・エヴァに搭載されたAIの実証試験に参加した、プログラマのケイレブ。彼とエヴァとの交流を契機に巻き起こる疑惑と狂気を描いたSFスリラー作品。
結果から言うと最後まで一体どこに向かっているのかが全くわからない。
終始不穏な空気が漂う感じが抜群に緊迫感を煽っていて、想像していたSF版ピノキオではなく、どちらかと言うとSAWシリーズみたいな気の抜けなさがある。
これはもはやこの手の作品でありがちと言える森の中のモダン的な四角主体の無機質な建物に住むIT長者という、無駄に密室を作り出す設定ではなくしっかりとした脚本の賜物なのは間違いないでしょう。
そして人間以上に人間らしい彼女の振る舞いに、生命や思考、はたまたとは正義といった問いかけを自問自答したくなること間違いなし。
男はロマンチスト、女はリアリストとはよく言ったものですが、この作品の配置が逆であれば全く違った物語になっていたのは確かでしょう。
リアリズム全開なアンドロイドレディの強かさと恐ろしさと対照的に、ロマン主義な思考回路に終始する男性の弱さと愚かさが強烈に描かれていて、背筋が凍る感じすらある良作です。
評価
脚本
配役
演出
音楽
映像
IMDb 7.7 / 10
ROTTEN TOMATOS Tomatometer 92% Audience 86%
metacritic METASCORE 78 USER SCORE 7.9