隔たる世界の2人

Netflix
引用元:Netflix

Netflixから2021年4月9日に独占配信された「隔たる世界の2人」の感想記事です。

アカデミー賞短編実写映画賞を受賞した作品です。

NBAのスーパースターであるケビン・デュラントとマイク・コンリー。 2007年のNBAドラフトの同期2人がエグゼクティブ・プロデューサーとして制作に関わったことで話題にもなりました。

オススメ度3.7

作品情報

原題:Two Distant Strangers

製作国:アメリカ(2021年)

配給:Netflix

監督:トレイヴォン・フリー、マーティン・デズモンド・ロー

本編:32分

出演:ジョーイ・バッドアス、アンドリュー・ハワード、 ザリア・シモンほか

レビュー

Black Lives Matter

黒人青年が白人警官に何の罪もないのに殺され、そのたび朝目覚める瞬間に戻るタイムリープ作品。

抵抗しても、逃げても、外に出ないようにしても、対話しても、殺されることが繰り返される描写は、ジョージ・フロイド氏殺害事件をきっかけにBlack Lives Matter運動が盛り上がっても、同じ惨劇が繰り返される現実を見事に映画に落とし込んでいます。

NBAの黙祷やボイコットを見ていたので非常に印象深いです。

 

ハードな演出

警官に首を押さえつけられ「息ができない」と言いながら殺されたり、部屋を間違えて突入してきた機動隊に銃殺される、といったシーンは、日本でも大々的に報道されていた実際に起きた事件をモチーフにしていたものであることがわかります。

そういった生々しさや恐ろしさを感じさせつつも、映像の切り替わりは早く、ポップな音楽と相まってバランスを上手く取っていて、終わりなく繰り返される惨劇が非現実ではないこと実感させます。

100回目に再び銃殺された際には、地面に広がる血がアフリカの形になる演出までされています。

確執の根深さは手放しに分かると言えるものではないですが、アフリカ系アメリカ人の問題は様々な題材にされていますが、ここまでド直球に訴えるものは少なかったかもしれません。

 

移民の少ない島国で平和な日本で生まれ育ったゆとり世代でも、とても考えさせられる作品となっています。

 

 

脚本3.5

配役3.5

演出4.0

音楽3.5

映像4.0

 

コメント