鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎

東映から2023年11月17日に劇場公開された「鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎」の感想記事です。

水木しげるの漫画『ゲゲゲの鬼太郎』を原作としたテレビシリーズ第6期の劇場用作品。

水木しげる生誕100年記念作品です。

オススメ度3.6

あらすじ&予告編

昭和31年。 鬼太郎の父であるかつての目玉おやじは、行方不明の妻を捜して哭倉村へやって来る。

その村は、日本の政財界を裏で牛耳る龍賀一族が支配していた。 血液銀行に勤める水木は、一族の当主の死の弔いを建前に密命を背負って村を訪れ、鬼太郎の父と出会う。 当主の後継をめぐって醜い争いが繰り広げられる中、村の神社で一族の者が惨殺される事件が発生。

それは恐ろしい怪奇の連鎖の始まりだった…

作品情報

製作国:日本(2023年)

配給:東映

監督:古賀豪

本編:104分

出演:関俊彦、木内秀信、種﨑敦美、小林由美子、古川登志夫、沢城みゆき、庄司宇芽香、野沢雅子ほか

レビュー

昭和31年を舞台に、行方不明の妻を探し哭倉村へやってきた鬼太郎の父と血液銀行に勤める水木の”妖怪”と”人間”のバディムービー。

まるで犬神家の一族のような異様な雰囲気を醸し出す哭倉村という地方の閉鎖的なコミュニティと、妖怪のコラボが見事に見事にハマっていると共に、戦争帰りで血液銀行勤務といった時代設定がリアリティを生む背景が個人的には抜群であるように感じます。

昭和の漫画は”デビルマン”然り”サイボーグ009”然り時代背景が上手く内容のダークさに合う印象が強いですが、本作も例に漏れない想像以上の深さがありますね〜

ホラー感はあまりなく、前半部が描く村の因習などはサスペンス感強く作り込まれていて入り込みやすいように感じましたし、後半部に繋がる人間性であったりドラマ性を上手く演出していたように思います。

個人的には現代的になったアクションシーンや完全に詰んだ状態からの起死回生に、思わずムムッとなった感は否めませんが、アニメ的な要素も多く飽きずに見られます。

関俊彦演じる鬼太郎の父が絶妙な味を出していて妖怪らしさが滲み出ていたし、ねずみ男が出てくれたおかげで鬼太郎サイド感がアップするし上手い役回りを演じています。 何より野沢雅子演じる目玉のオヤジは出番が少ないのにインパクトを残してくれますね〜

鬼太郎たちの出番はほとんどないですし、そこまでシリーズのファンというわけではないですが、十分に楽しめるし理解できる、そして何より誕生秘話にたずさわれる嬉しさと社会問題と伝奇のMIXによって色々考えさせられる良作であると感じます。

評価

脚本4.0

配役4.0

演出4.0

音楽3.0

映像3.0

IMDb – / 10

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