クロックワークスから2024年11月22日に劇場公開された「ドリーム・シナリオ」の感想記事です。
オススメ度
あらすじ&予告編
大学教授のポール・マシューズは、ごく普通の生活を送っていた。
ある日、何百万人もの夢の中にポールが一斉に現れたことから、彼は一躍有名人となる。 メディアからも注目を集め、夢だった本の出版まで持ちかけられて有頂天のポールだったが、ある日を境に夢の中のポールがさまざまな悪事を働くようになり、現実世界のポールまで大炎上してしまう。
自分自身は何もしていないのに人気絶頂を迎えたかと思えば、一転して嫌われ者になったポールだったが…
作品情報
原題:Dream Scenario
製作国:アメリカ(2023年)
配給:クロックワークス
監督・脚本:クリストファー・ボルグリ
本編:102分
出演:ニコラス・ケイジ、リリー・バード、ジュリアンヌ・ニコルソン、ジェシカ・クレメント、マイケル・セラ、ティム・メドウス、ディラン・ゲルーラ、ディラン・ベイカーほか
レビュー
平凡な大学教授がなぜか大勢の人々の夢に現れたことから思わぬ事態に陥っていく姿を描いたスリラー作品。
節々で語るシマウマの生態についてのエピソードがまさに作品を象徴していて、群れの中に紛れながら目立たず我が身の安全を確保したいが、承認欲求は人並みにある。 しかし、評価され得るものは売り出す前の本だという… 小さな不満を蓄積させ陰鬱と過ごしながらも、日常から逸脱したい夢見がちな方には(自分もそうだが)刺さる人も多いだろう。
セルフパロディ作品である『マッシブ・タレント』(2022)でカムバックを果たしたニコラス・ケイジが見事にハマっていて、お馴染みの困惑気味の表情が絶妙。
とことんと言って良いほどに不恰好で不運なのだが、飾らない存在感は健在で。 脚本の面白さをより際立たせるのか。 演出が良いのか脚本が良いのか、それともカットなのかニコラス・ケイジが巧いのか、それら全てなのか分からないが非常にバランス良い作品に仕上がっているのは間違いない。
なんとなく忌み嫌われる中年男性にまつわる社会現象が見事に表現されているし、最初から最後まで面白いんだけど、悲しくて愚かしくて美しい。
製作に名を連ねたアリ・アスターともどもA24の常連スタッフが名を連ねる作品は、今後も注目が必要ですね。
評価
脚本
配役
演出
音楽
映像
IMDb 6.8 / 10
ROTTEN TOMATOS Tomatometer 91% Audience 68%
metacritic METASCORE 74 USER SCORE 6.8