ワーナー・ブラザース・ピクチャーズから2024年10月11日に劇場公開された「ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ」の感想記事です。
「バットマン」に悪役として登場するジョーカーの誕生秘話を描き、第76回ベネチア国際映画祭で金獅子賞、第92回アカデミー賞で主演男優賞を受賞するなど高い評価を得たサスペンスエンターテインメント「ジョーカー」(2019)の続編。
オススメ度
あらすじ&予告編
理不尽な世の中の代弁者として、時代の寵児となったジョーカー。
彼の前に突然現れた謎の女リーとともに、狂乱が世界へ伝播していく。
孤独で心優しかった男の暴走の行方とは…
作品情報
原題:Joker: Folie à Deux
製作国:アメリカ(2024年)
配給:ワーナー・ブラザース・ピクチャーズ
監督:トッド・フィリップス
本編:138分
出演:ホアキン・フェニックス、レディー・ガガ、ブレンダン・グリーソン、キャサリン・キーナー、ザジー・ビーツほか
レビュー
前作で描かれた抑圧された個の暴走は見事で、鬼気迫る熱量で観るモノを引き込んだホアキン・フェニックスはアカデミー賞受賞を果たした。
ところが続編となる本作では、驚くほどのローテンションに終始。 カタルシスを放棄し、夢から覚まされるかの如く。
“フォリ・ア・ドゥ”とは“ふたり狂い”を意味する言葉で、狂信者が共鳴し合い、更に狂うという意味らしい。 しかしながら、ジョーカーことアーサーも、ある想いを秘めて近寄る女性ハーリーンも微塵も狂ってはおらず、しっかり地に足を着けて生きている。
荒唐無稽なヒーロー映画ではなく、殴られれば痛み、食べなければ痩せ細り、空想に浸れば一瞬現実から離れられる。”覚めない夢はない”を地で行きながら、我々観ている側にも知らしめる作品なのかと考えさせられる。
切ない愛をミュージカル調に紡ぐ感情描写はもちろん悪くはない。
そして映像クオリティは凄まじい。 IMAXという時代の先駆けを、景観を美しく描写することに執心せずに、俳優のドUPという表現の幅に加えた。
それを気づかせてくれたのはクリストファー・ノーランの『オッペンハイマー』(2024)であり、この作品であると断言できる。
躊躇のないクローズアップ。 この画角が伝える力を信じたその映像を見逃さずにいられるかは我々受け取り手の重大事項に思える。
DCコミックでありジョーカーであることを除けば、アーサーという孤独でどうしようもない男の等身大の姿が露わになる。 殴られ、蹴られ、裏切られ… 思ったよりブーメラン軌道で自分に突き刺さる作品。 前作のイメージが邪魔しなければもっと没入感ある良作と受け取れたかもしれない。 勿体ない。
評価
脚本
配役
演出
音楽
映像
IMDb 5.2 / 10
ROTTEN TOMATOS Tomatometer 31% Audience 31%
metacritic METASCORE 45 USER SCORE 4.4

