松竹から2025年11月21日に劇場公開された「TOKYOタクシー」の感想記事です。
松竹創業130周年記念作品。
フランス映画『パリタクシー』(2022)を、舞台を日本に置き換えてリメイクした作品で、山田洋次監督の91本目の監督作。
オススメ度
あらすじ&予告編
タクシー運転手の宇佐美浩二は、85歳の高野すみれを東京・柴又から神奈川の葉山にある高齢者施設まで送ることになった。
すみれの「東京の見納めに、いくつか寄ってみたいところがある」という頼みを受けた宇佐美は、すみれの指示で各地へタクシーを走らせる。
旅を共にするうち、次第に心を許したすみれから語られたのは、彼女の意外な過去だった。
タクシーの運転手と客として偶然出会った2人の心、そして人生が大きく動き始める…
作品情報
製作国:日本(2025年)
配給:松竹
監督:山田洋次
本編:130分
出演:倍賞千恵子、木村拓哉、蒼井優、迫田孝也、優香、中島瑠菜、神野三鈴、イ・ジュニョン、マキタスポーツ、北山雅康、木村優来、小林稔侍、笹野高史ほか
レビュー
山田洋次がこれまで撮り続けてきた人間ドラマを基軸としながら、”固定”と”移動”を組み合わせたストーリー構造となっている。
本作の原型はフランス映画『パリタクシー』(2022)ながら、最初の乗車地があの場所ならばもう山田洋次作品以外の何物でもないと思わせられるし、同ジャンルだと『幸せの黄色いハンカチ』(1977)が代表作にあたるのは間違いない。
互いに目線を合わせることのない二人芝居は、その緩急や起伏の付け方、台詞のタイミングに至るまで、シンプルそうに見えるがかなり難しい要素が多かったのではないかとも想像してしまうが、倍賞千恵子と木村拓哉の間で醸成される空気感の心地よさは凄まじい。 山田作品ならではのあの人この人の登場も楽しい。
受け身の芝居で包みこむ木村拓哉は素晴らしいし、回想シーンの蒼井優が作り出す時代と対峙する女性像も良かった。
東京を舞台に人情劇を作り続けてきた山田洋次監督による時間旅行のような味わいが物語にはあって、戦後から経済成長の時代を経て現代に至るまでの女性が生きていくことの大変さを語っていくとともに、葛飾柴又から始まり横浜に至るまでの寄り道含みのロードムービー感も嬉しい。
ひとえに東京と言っても、変わっていく風景と変わらない人情それぞれに言い換えられるような、山田洋次でないと作れない良作だと感じる。 そして94歳で新作公開を迎えた山田洋次に恐れ入る。
評価
脚本
配役
演出
音楽
映像
IMDb 7.2 / 10


