Netflixから2020年6月18日に独占配信された「泣きたい私は猫をかぶる」の感想記事です。
スタジオコロリド制作による日本の長編アニメーション映画で、第24回文化庁メディア芸術祭アニメーション部門優秀作品賞受賞作品です。
オススメ度
あらすじ&予告編
笹木美代は、いつも明るく陽気な中学二年生の女の子。 空気を読まない言動で周囲を驚かせ、クラスメイトからは「ムゲ(無限大謎人間)」というあだ名で呼ばれている。 しかし本当は周りに気を使い、「無限大謎人間」とは裏腹に自分の感情を抑えて日々を過ごしていた。
そんなムゲは、熱烈な想いを寄せるクラスメイトの日之出賢人へ毎日果敢にアタックを続けるが全く相手にされない。 めげずにアピールし続ける彼女には誰にも言えないとっておきの秘密があった。 それは、猫の姿になって大好きな日之出に会いにいくこと…
作品情報
製作国:日本(2020年)
配給:Netflix
監督:佐藤順一、柴山智隆
本編:104分
出演:志田未来、花江夏樹、寿美菜子、小野賢章、千葉進歩、川澄綾子、大原さやか、浪川大輔、山寺宏一、小木博明ほか
レビュー
猫をかぶる
同じクラスの日之出にアタックを続けるムゲは全く相手にされていない。 そんなある日、祭りの日に怪しげなお面屋から猫のお面を手に入れ猫になる力を手にする。 猫になることで日之出に近づいていく。
そんな文字通り猫の(お面を)かぶることで好きな人に近づこうとする少女の純真な恋心を描写している設定でありタイトルです。
学校や、別居する母、父の再婚相手との家族関係など、ムゲを取り巻くきつい現実。 それに悩む思春期の少女はいつも笑うことを選択する。 無限大謎人間と呼ばれるまでに突飛な行動と思ったことはなんでも言う人間を演じきっています。 本音を隠すために毎日笑顔の仮面をかぶっているんですよね。
人間関係を円滑に行うために仮面をつけて過ごしている人々が多い世の中であろう現代を、お面を使うことで作品に落とし込んでいるように感じられます。
猫のお面をかぶることで日之出から素直な愛情を受け取ることができることで、一時は猫になることを選択するムゲですが、徐々に人間との乖離が進み意思疎通できなくなります。
仮面をかぶり続けている内に、本当の自分がわからなくなってしまうようなことがあることを、猫でいるうちに、境界が曖昧になってゆくことと上手く掛け合わせています。
ただ存在するだけで人から愛される猫と、学び・努力する必要がある人間を対比した作品になっています。
自分の本当の気持ちと向き合うことがいかに大切かということを、ファンタジー要素強めで見事に描いた作品となっています。
書いていて思ったより深かったなぁ〜と思いますが、観ている時は猫可愛い〜くらいにしか思いながら観られるハートフルな猫映画となっていますので、猫好きは必見ですね〜
評価
脚本
配役
演出
音楽
映像
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