ワーナー・ブラザース映画から2021年6月4日に劇場公開された「るろうに剣心 最終章 The Beginning」の感想記事です。
和月伸宏の同名人気コミックを実写映画化し大ヒットを記録した時代劇アクション「るろうに剣心」のシリーズ完結編となる2部作の第2弾です。
オススメ度
あらすじ&予告編
動乱の幕末。 緋村剣心は倒幕派・長州藩のリーダー桂小五郎のもと暗殺者として暗躍。 血も涙もない最強の人斬り・緋村抜刀斎と恐れられていた。
ある夜、緋村は助けた若い女・雪代巴に人斬りの現場を見られ、口封じのため側に置くことに。
その後、幕府の追手から逃れるため巴とともに農村へと身を隠すが、そこで人を斬ることの正義に迷い、本当の幸せを見出していく。 しかし、ある日突然、巴は姿を消してしまう。
“十字傷”に秘められた真実がついに明らかになる…
作品情報
製作国:日本(2021年)
配給:ワーナー・ブラザース映画
監督:大友啓史
本編:137分
出演:佐藤健、有村架純、高橋一生、村上虹郎、安藤政信、北村一輝、江口洋介ほか
レビュー
原作漫画でも人気の「追憶編」をベースにした”十字傷”、そして”不殺の誓い”を描く本作。
”人斬り抜刀斎”として幕末で畏怖の対象であった剣心を描いているため、史実に沿った演出を加えた完全な幕末時代劇作品であるように感じられるのは間違い無いでしょう。
特筆すべきは”人斬り抜刀斎”から流浪人の緋村剣心へと変わりゆく心情変化を描くにあたって、切ない恋愛模様が繰り広げられること。
それは超人的な身体能力と飛天御剣流を血みどろの殺陣に折り合わせたリアリティが魅力なこれまでの作品とは打って変わって”リアリズム”を徹底する本作だからこそ可能であるように感じます。
ヒロインが攫われ、助けるというありきたりな設定は特に真新しさはなく、これ以上ない話ではあるものの何故ここまで心に迫るのか… それは劇中でこれまで雪の描写は多く描かれてきてはいるものの、これほどまでに美しいカットはなかったように思えるのも全てストーリーが絡んでこそなのかもしれません。
そしてこの「The Beginning」では「1作目」の最初へと戻る象徴的なシーンがあり、今までのシリーズを見直すのも良いように感じますし、雪代縁のバックボーンが描かれているが故に「The Final」を観ても感慨深いように思えます。
通して観ると、いかにアクションシーンがクオリティ高く、原作へのリスペクトは忘れずに丁寧にキャラが作り込まれたかわかる納得のいくフィナーレとなると思います。
10年にわたり携わってきた全キャスト、そして監督である大友啓史に賛辞を贈りたい。 そんな最後となっています。
原作を知らない人にもオススメしたい作品です。
評価
脚本
配役
演出
音楽
映像
IMDb 7.4 / 10
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