松竹から2016年9月17日に劇場公開された「聲の形」の感想記事です。
2015年版『このマンガがすごい!』オトコ編で第1位、「マンガ大賞2015」で第3位を獲得し、第19回手塚治虫文化賞新生賞受賞作の、大今良時の同名漫画の劇場版です。
制作は京都アニメーションが担当し、公開館数は120館と小規模であったが、興収23億円を突破。
さらに第40回日本アカデミー賞優秀アニメーション作品賞、第26回日本映画批評家大賞アニメーション部門作品賞、第20回文化庁メディア芸術祭アニメーション部門優秀賞、東京アニメアワードフェスティバル2017アニメ オブ ザ イヤー作品賞 劇場映画部門グランプリ受賞作と輝かしい成績を収めました。
文部科学省タイアップ作品でもあります。
オススメ度
あらすじ&予告編
退屈することを何よりも嫌うガキ大将の少年・石田将也は、転校生の少女・西宮硝子へ好奇心を抱き、硝子の存在のおかげで退屈な日々から解放される。
しかし、硝子との間に起こったある出来事をきっかけに、将也は周囲から孤立してしまう。
それから5年。 心を閉ざして生き、高校生になった将也は、いまは別の学校へ通う硝子のもとを訪れる…
作品情報
製作国:日本(2016年)
配給:松竹
監督:山田尚子
本編:129分
出演:入野自由、早見沙織、悠木碧、小野賢章、金子有希、石川由依、潘めぐみ、豊永利行、松岡茉優ほか
レビュー
いじめっ子だった石田将也と先天性の聴覚障害を持つ西宮硝子を中心に、人と人との繋がりやディスコミュニケーションを描いた作品。
センシティブかつ難解なテーマに挑んだ原作に、連載当時から引き込まれ、割と平和的な幼少期を送ってきたと自負しているにもかかわらず当事者のように胸が締め付けられそうになる想いがありました。
原作と大きく違うのは、「いじめた側」の主観をメインに描いた点ではないでしょうか。
群像劇から逸脱し、ひとつのストーリーとして完成されているのには驚かされました。
卑屈や自己嫌悪は少なめにしつつも、しっかり作品の雰囲気とストーリーに馴染ませた一人の少年像は、原作とは違いながらもよく味が出ていて感心させられます。
山田尚子の抜群の切り口と京都アニメーションの技術がハイレベルで融合しているように感じます。
キャスティングも素晴らしく、もはやこの手の映画に欠かせない入野自由は『あの花』のじんたんに勝るとも劣らないハマり具合でナイーブな男子高校生役を演じています。
原作未読でも間違いなく作品を楽しむ上で問題無いですが、是非比較することをオススメしたいです。
評価
脚本
配役
演出
音楽
映像
IMDb 8.1 / 10
コメント