東京テアトルから2022年2月11日に劇場公開された「ちょっと思い出しただけ」の感想記事です。
第34回東京国際映画祭で観客賞を受賞した作品です。
オススメ度
あらすじ&予告編
2021年7月26日、この日34回目の誕生日を迎えた佐伯照生は、朝起きていつものようにサボテンに水をあげ、ラジオから流れる音楽に合わせて体を動かす。 ステージ照明の仕事をしている彼は、誕生日の今日もダンサーに照明を当てている。
一方、タクシー運転手の葉は、ミュージシャンの男を乗せてコロナ禍の東京の夜の街を走っていた。
目的地へ向かう途中でトイレに行きたいという男を降ろし、自身もタクシーを降りると、どこからか聴こえてくる足音に吸い込まれるように歩いて行く葉。
すると彼女の視線の先にはステージで踊る照生の姿があった…
作品情報
製作国:日本(2022年)
配給:東京テアトル
監督:松居大悟
本編:115分
出演:池松壮亮、伊藤沙莉、大関れいか、屋敷裕政(ニューヨーク)、広瀬斗史輝、成田凌、市川実和子、神野三鈴、鈴木慶一、國村準、永瀬正敏、尾崎世界観ほか
レビュー
怪我で夢を諦めた元ダンサーとタクシードライバーの6年間に及ぶ恋愛模様を、それぞれの年の7月26日という1日を通して描いたラブロマンス作品。
クリープハイプの尾崎世界観が自身のオールタイムベストに挙げている映画『ナイト・オン・ザ・プラネット』(1991)から着想して作曲した「ナイトオンザプラネット」に監督の松居が触発され、自身初の完全オリジナルラブストーリーとして執筆したという本作は、その設定のみならずユーモラスさ全開に作品の世界観へ引き込んでくれるように感じます。
池松壮亮と伊藤沙莉の掛け合いが見事で、二人の作り出す空気感が堪らなく素敵です。 好きだなぁ…
「ワン・デイ 23年のラブストーリー」(2011)を彷彿とさせる特定の1日を切り取り、そこに時間を逆行させる演出が効いていて、コロナなどの時代的な要素がより深みをもたらしているように感じさせてくれます。
ストーリーとしては、マスク生活を強いられているコロナ禍から始まり、時を巻き戻すように出会いまでを淡々と描いていて、胸の内に秘める想いを含め全体的に表層を浚うような印象を受けます。
この緩い雰囲気は独特で、それが逆に受け入れやすくもあり儚くも感じます。
でもこれが1番良い。 なぜなら“ちょっと思い出しただけ”なのだから…
評価
脚本
配役
演出
音楽
映像
IMDb 6.9 / 10
ROTTEN TOMATOS Tomatometer –% Audience –%
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