Netflixから2019年11月27日に独占配信された「アイリッシュマン」の感想記事です。
チャールズ・ブラントが2004年に発表した同名のノンフィクション小説を原作とした実写映像化作品です。
オススメ度
あらすじ&予告編
裏社会のボスに長年仕えていた元軍人の殺し屋・フランク。
第2次世界大戦後のアメリカで、数々の悪人たちや凶悪組織と関わりを持ってきた彼が、犯罪と暴力にまみれた自らの半生を振り返る。
そんな中、現在も未解決となっている労働組合指導者ジミー・ホッファの失踪事件にまつわる秘密が明かされる…
作品情報
原題:The Irishman
製作国:アメリカ(2021年)
配給:Netflix
監督:マーティン・スコセッシ
本編:210分
出演:ロバート・デ・ニーロ、アル・パチーノ、ジョー・ペシ、ハーヴェイ・カイテル、レイ・ロマノ、ボビー・カナヴェイル、アンナ・パキン、スティーヴン・グレアム、ステファニー・カーツバ、キャスリン・ナルドゥッチ、ウェルカー・ホワイト、ジェシー・プレモンス、ジャック・ヒューストン、ドメニク・ランバルドッツィ、ルイス・キャンセルミ、ポール・ハーマン、ゲイリー・バサラバ、マリン・アイルランド、セバスチャン・マニスカルコ、スティーヴン・ヴァン・ザントほか
レビュー
正直3時間半は簡単に観れるものではない…しかしながらそれを可能としているのは、ロバート・デ・ニーロ、アル・パチーノ、ジョー・ペシに加え、ハーヴェイ・カイテルやスティーヴン・グレアム、アンナ・パキンなどのまさに映画界を代表する豪華俳優陣の素晴らしい演技と、アメリカ近代史を大きく振り返るようなストーリー展開があってこそだと感じます。
本作はフランク・シーランの半生を描いた作品ではありますが、インダストリアル・ライト&マジックによる特殊効果によって、それぞれの風貌を若返らせることで一人の俳優が演じきることが可能になったために、20代から80代までのシーランを演じるロバート・デ・ニーロも、ホッファ役のアル・パチーノ、ブファリーノ役のジョー・ペシも全ての年代を自身で演じています。
70年代のロバート・デ・ニーロを観知っているので多少の違和感はあるものの、不自然ではないことがスゴいですよね〜
そして一癖も二癖もあるキャストをマーティン・スコセッシがしっかり作品に落とし込んでいて、数多くのマフィア映画を観た中でも全体的にかなり静かな作風ながら胸に迫る熱いものを感じる展開です。
全米トラック運転組合の幹部にして地元フィラデルフィアのマフィア「ブファリーノ・ファミリー」と通じていたフランク・シーランは、自ら組合委員長で労働者のカリスマ的存在であるジミー・ホッファ失踪事件への関与を告白していますが、事件は現在も未解決のままとなっています。
クラシックな音楽で徐々に核心へ迫っていき、大事件が起きてからは打って変わり1人また1人と敵も味方も消えて、取り残されたシーランの孤独と哀愁、そして贖罪のラストへと向かっていく…このストーリー展開に思わず舌を巻きます。
ノンフィクション小説を原作とするからこその緊迫感と作品への入り込みやすさがあり、観終わった後には考えさせることも多く、配信映画でこれほどの作品を観ることが出来るのか…と時代の移り変わりにもただただ驚かされるばかりですw
むしろ配信だからこそ出来たのでしょうね。
長尺ですが、個人的に1度は観てもらいたい作品であると感じました。
評価
脚本
配役
演出
音楽
映像
IMDb 7.8 / 10
ROTTEN TOMATOS Tomatometer 95% Audience 86%
metacritic METASCORE 94 USER SCORE 8.1
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