20世紀フォックスから2019年9月20日に劇場公開された「アド・アストラ」の感想記事です。
日本での最後の20世紀フォックス配給作品です。
第92回アカデミー賞にて、録音賞(ゲイリー・ライドストロム, マーク・ウラノ, トム・ジョンソン)にノミネートされました。
オススメ度
あらすじ&予告編
ロイは地球外知的生命体の探求に人生を捧げた父を見て育ち、自身も同じ道を選ぶ。
しかし、その父は探索に旅立ってから16年後、地球から43億キロ離れた太陽系の彼方で行方不明となってしまう。
その後、エリート宇宙飛行士として活躍するロイに、軍上層部から「君の父親は生きている」という驚くべき事実がもたらされる。 さらに、父が太陽系を滅ぼしかねない通称“リマ計画”に関わっているという。
父の謎を追いかけて、ロイも宇宙へと旅立つが…
作品情報
原題:Ad Astra
製作国:アメリカ(2019年)
配給:20世紀フォックス
監督・脚本・製作:ジェームズ・グレイ
本編:123分
出演:ブラッド・ピット、トミー・リー・ジョーンズ、ルース・ネッガ、リヴ・タイラー、ドナルド・サザーランドほか
レビュー
太陽系の遥か彼方で消息不明となった父親を捜しに旅立つ宇宙飛行士の姿を描いたSF大作。
地球から月、火星を経由し太陽系の果ての海王星へと旅立つ壮大な宇宙旅行は、人間らしさを取り戻す一人の人間のヒューマンドラマとして構成されています。
スケールが大きいのか小さいのかもわからない本作は、プロデューサーも兼任するブラッド・ピットが見事に演じることで成り立っていると言っても過言ではないでしょう。
様々な出来事を通してクールだった主人公が、徐々に感情的になっていく心理的な変化の演出は抜群です。
スピード感やスリルのあるシーンは少なく、親子であったり仕事であったりという普遍的なテーマを掘り下げ進むストーリーは、ある種のシリアスな現代ドラマを観ている気にさえなってきます。
宇宙空間での事故だったり、核爆発の爆風を推進力にするなどの演出はありますが、宇宙や地球外生命体と知的探究心が刺激されるような内容とドギマギする展開を想像した人には、思わず首を傾げたくなってしまう内容かもしれません。
人間は一人では生きられないことに気付く演出は様々な作品で用いられてきましたが、『イントゥ・ザ・ワイルド』(2007)のセリフを借りるのであれば、“HAPPINESS ONLY REAL WHEN SHARED”(幸せは分かち合ったときにだけ現実になる)。 荒野から宇宙へ舞台を移した原点回帰の物語。 そんな風に受け取ることも可能かもしれませんね〜
ここまで心に刺さるセリフがあったわけではないですが、良作であることは間違いありません。
評価
脚本
配役
演出
音楽
映像
IMDb 6.5 / 10
ROTTEN TOMATOS Tomatometer 83% Audience 40%
metacritic METASCORE 80 USER SCORE 6.2
コメント