ウォルト・ディズニー・ジャパンから2023年2月23日に劇場公開された「エンパイア・オブ・ライト」の感想記事です。
第95回アカデミー賞で撮影賞にノミネートされた作品です。
オススメ度
あらすじ&予告編
辛い過去を経験し心に闇を抱えるヒラリーは、地元の映画館”エンパイア劇場”で働いている。
彼女の前に夢を諦め映画館で働くことを決意した青年スティーヴンが現れ、その出会いに、ヒラリーは生きる希望を見出していく。
だが、時代の荒波は二人に想像もつかない試練を与えるのだった…
作品情報
原題:Empire of Light
製作国:イギリス、アメリカ(2022年)
配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
監督・脚本:サム・メンデス
本編:113分
出演:オリヴィア・コールマン、マイケル・ウォード、コリン・ファース、トビー・ジョーンズほか
レビュー
厳しい不況と社会不安に揺れる1980年代初頭のイギリスを舞台に、登場人物の心の交錯を描いた作品。
海辺の町マーゲイトで地元の人々に愛されている映画館は雰囲気たっぷりで、ノスタルジックさの際立つ冒頭から引き込まれることは間違いなし。
そんなエンパイア劇場では『炎のランナー』(1981)が上映されているなど、監督のサム・メンデスが自身の映画体験を基に綴ったという本作の世界観に惹き込まれるとともに、そこで受付として働くヒラリーはメンデスの実母がモデルだというのだから色々考えさせられるところは大きい。
心に闇を抱える精神不安定なヒラリーと、過酷な現実に苦しむスティーブンを軸にストーリーが描かれるが、サッチャー政権下での人種差別、そして様々なハラスメントを含む社会問題を描くがゆえに重々しい展開となるのは言うまでもないでしょう。
親子ほど歳の離れた男女の切なげなラブストーリーを含め、派手な演出などがない平坦なストーリーへの感情移入は難しい反面で、オリヴィア・コールマンをはじめとする演技力の高さには感嘆させられるし、カメラワークやアングルが絶妙。 そして音楽も抜群に合っているので、映画としてのクオリティの高さはかなり高いように感じます。
”人生は心の在り方だ”と、傷つきながらも前へ進む彼らの心情が訴えるものも大きく、おそらくそういった経験のある人々には響く内容になっている感じもします。 自分の人生の浅さを知ることにもなりましたがw
万人にオススメできる映画ではないですが、少し心の荷が下りるような人もいるかと思わせられる作品だと思います。
あぁ、映画って良いな。
評価
脚本
配役
演出
音楽
映像
IMDb 6.6 / 10
ROTTEN TOMATOS Tomatometer 45% Audience 74%
metacritic METASCORE 54 USER SCORE 5.9
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