Apple TV+から2020年7月10日に独占配信された「グレイハウンド」の感想記事です。
第二次世界大戦中の大西洋におけるアメリカ海軍の護送船団とドイツ海軍潜水艦Uボートの戦闘を描いたC・S・フォレスターの小説「駆逐艦キーリング」(The Good Shepherd(1955))の実写映像化作品です。
オススメ度
あらすじ&予告編
アーネスト・クラウス艦長が数千の兵士と救援物資を届けるために37隻の船団を率いて大西洋を横断する危険な任務に挑む…
作品情報
原題:Greyhound
製作国:アメリカ(2020年)
配給:Apple TV+
監督:アーロン・シュナイダー
本編:91分
出演:トム・ハンクス、スティーヴン・グレアム、ロブ・モーガン、エリザベス・シューほか
レビュー
イギリスに向け大西洋を渡る輸送船団を護衛する任務中に、ドイツの戦艦と死闘を繰り広げる戦闘を描いた第二次世界大戦が舞台のスペクタル作品。
トム・ハンクス演じる米駆逐艦”グレイハウンド”率いる艦長の視点から俯瞰的に戦争を観ることができる本作は、91分のほとんどが緊迫した海上の戦争シーンとなっているために、一度観始めると辞めることが出来ないのは間違いないでしょう。
敵影が見えない中での、レーダーとソナーを使った位置把握と進路予測、はたまた魚雷の回避に爆雷での攻撃という、緻密でテクニカルな要素が踏んだんに入っていながら、一切の既視感なく新しい戦闘形式で、かつリアリズムが徹底して描かれる様は圧巻としか言いようがありません。
登場人物の心情吐露や交流といった部分を極限まで排したストイックさとハードボイルドさは、近年稀に見るほどの徹底ぶりで、それでいて共感や感情移入できるだけの表現は俳優陣がしっかり行っていて、この俳優陣だから出来る作品と言って良いのかもしれませんね〜
CGであろう暗い海に白む荒波と鋭角に食い込む艦首の映像は、今まで観てきたどのCG表現よりも素晴らしいと感じますし、これを劇場で観られない悔しさが思わず滲み出てしまいます。
一切の妥協を許さなかったであろうことが容易に想像できるトム・ハンクス脚本・主演で送り出した秀作です。
評価
脚本
配役
演出
音楽
映像
IMDb 7.0 / 10
ROTTEN TOMATOS Tomatometer 77% Audience 76%
metacritic METASCORE 64 USER SCORE 7.1
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