松竹から2021年7月22日に劇場公開/独占配信された「サイダーのように言葉が湧き上がる」の感想記事です。
アニメ音楽レーベル「フライングドッグ」の設立10周年記念作品で、第25回文化庁メディア芸術祭アニメーション部門審査委員会推薦作品です。
オススメ度
あらすじ&予告編
コミュニケーションが苦手で、人から話しかけられないよう、いつもヘッドホンを着用している少年・チェリー。 彼は口に出せない気持ちを趣味の俳句に乗せていた。
矯正中の大きな前歯を隠すため、いつもマスクをしている少女・スマイル。 人気動画主の彼女は、“カワイイ”を見つけては動画を配信していた。
俳句以外では思ったことをなかなか口に出せないチェリーと、見た目のコンプレックスをどうしても克服できないスマイルが、ショッピングモールで出会い、やがてSNSを通じて少しずつ言葉を交わしていく。
ある日ふたりは、バイト先で出会った老人・フジヤマが失くしてしまった想い出のレコードを探しまわる理由にふれる。 ふたりはそれを自分たちで見つけようと決意。
フジヤマの願いを叶えるため一緒にレコードを探すうちに、チェリーとスマイルの距離は急速に縮まっていくが、ある出来事をきっかけにふたりの想いはすれ違って…
作品情報
製作国:日本(2021年)
配給:松竹
監督:イシグロキョウヘイ
本編:87分
出演:市川染五郎、杉咲花、潘めぐみ、花江夏樹、梅原裕一郎、中島愛、諸星すみれ、神谷浩史、坂本真綾、山寺宏一、井上喜久子ほか
レビュー
人とのコミュニケーションが苦手な俳句少年と、コンプレックスを隠すマスク少女。 何の変哲もない郊外のショッピングモールを舞台に出逢ったふたりが、言葉と音楽で距離を縮めていく、ボーイ・ミーツ・ガールストーリー。
昨今、夏に公開されることの多い壮大なファンタジー作品と比べると、何の変哲もない小さなひと夏の物語なのに、心の抉り方は思ったよりも大きいのが実に印象的です。
懐かしさ満点の風景が現代風に彩られていた映像面でも好印象を受けますし、すんなりと作品に馴染ませられるキャストも申し分ないように感じます。
なによりもエモーショナルさ全開のラストシーンは圧巻です。
ひと夏の物語を凝縮したかのような回収作業を、花火の音にかぶせながら俳句という短い言葉に託す。 文字の芸術から言葉にすることで、より伝わる感情をしっかり再現されていて素晴らしいです。
在りし日の青春て感じで良いですね~w
評価
脚本
配役
演出
音楽
映像
IMDb 6.8 / 10
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