日活から2019年1月26日に劇場公開された「デイアンドナイト」の感想記事です。
山田孝之がプロデュース、阿部進之介が企画・原案・主演を務めた作品です。
オススメ度
あらすじ＆予告編
明石幸次は父の自殺で実家へと戻ってきた。
明石の父は大手企業の不正を内部告発したことから自殺にまで追いやられ、家族も崩壊寸前となっていた。
そんな明石に手を差し伸べたのは北村という男だった。 北村は児童養護施設のオーナーとして、父親同然に孤児たちを養いながら、「子どもたちを生かすためなら犯罪もいとわない」という清濁を共存させた道徳観を持っていた。
児童養護施設で生活する少女・奈々は、北村に傾倒していく明石を案じていたが、復讐心が次第に増幅し、明石の中の善悪の境界線が瓦解していく…
作品情報
製作国:日本（2019年）
配給:日活
監督:藤井道人
本編:134分
出演:阿部進之介、安藤政信、清原果耶、小西真奈美、佐津川愛美、深水元基、藤本涼、笠松将、池端レイナ、山中崇、淵上泰史、渡辺裕之、室井滋、田中哲司ほか
レビュー
自動車の安全データの偽装と閉鎖的な地域社会が織りなすヒューマンドラマ作品。
豊田市とその周辺を思わせるかのような大手自動車メーカーの企業城下町で、三菱自動車のリコール隠しを彷彿とさせる不正隠蔽。
どうにもリアリティが垣間見える難しいテーマがメインというのが目の付け所が素晴らしい。
不正が世間に暴かれることで生じる倒産後の失業者はもちろんいるが、告発することで村八分にされ、自殺に追い込まれる人間がいたという衝撃的とも言えるスタートから物語は始まり、不正を隠蔽する自動車メーカー幹部が家では良き夫であり父を、養護施設を維持するために車の盗難を行う者達という、絶対的な善・悪の区別のつかない矛盾を大々的に描く。
善悪とは何か…? 性善説・性悪説といった言葉では語るに及ばない脚本の濃密さと、それを作品に落とし込んだ演出は見事としか言いようがないですね〜
登場人物の善と悪、昼の顔と夜の顔はもちろん、表と裏の顔を使い分けることで社会に溶け込む日本人のパーソナリティが大いに反映させられているように感じられてどうも後味は悪いように感じますw
演者も素晴らしく、主演の阿部進之介は強弱と言うべきか緩急というべきか、良い意味でブレーキの効きが良い俳優であるな〜と改めて感じますし、清原果耶も俳優としての階段を一段登った気がします。
安藤政信をはじめ、脇を固める俳優陣もそれぞれに際立っていて、キャスティングは抜群であるように感じました。
表と裏のようにはっきり分かれていない善と悪は、昼と夜の間、”夕闇”みたいな不明瞭な存在で、夕闇に立つことで見える世界もあるのかもしれませんね〜 ほぼブラックラグーンのロックの引用ですがw
評価
脚本
配役
演出
音楽
映像
IMDb 6.2 / 10
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