ソニー・ピクチャーズエンタテインメントから2023年12月1日に劇場公開された「ナポレオン」の感想記事です。
オススメ度
あらすじ&予告編
1789年。 自由、平等を求めた市民によって始まったフランス革命。
マリー・アントワネットは斬首刑に処され、国内の混乱が続く中、天才的な軍事戦略で諸外国から国を守り皇帝にまで上り詰めた英雄ナポレオン。 最愛の妻ジョゼフィーヌとの奇妙な愛憎関係の中で、フランスの最高権力を手に何十万人の命を奪う幾多の戦争を次々と仕掛けていく。
冷酷非道かつ怪物的カリスマ性をもって、ヨーロッパ大陸を勢力下に収めていくが…
作品情報
原題:Napoleon
製作国:アメリカ(2023年)
配給:ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
監督:リドリー・スコット
本編:158分
出演:ホアキン・フェニックス、ヴァネッサ・カービー、タハール・ラヒム、ルパート・エヴェレット、マーク・ボナーほか
レビュー
「グラディエーター」(2000)の巨匠リドリー・スコット監督が「ジョーカー」(2019)のホアキン・フェニックスを主演に迎え世界に放つ、フランスの英雄ナポレオン・ボナパルトの人物像を新解釈で描いた歴史スペクタクル大作。
ナポレオンの原点と夫婦関係、迅速かつ冷酷に皇帝まで上り詰める中で垣間見られたナポレオンの私的な面に迫った意欲作ですが、流石に史実を忠実に描いた伝記映画ではない。
ジョゼフィーヌとの関係性などはもちろん、アウステルリッツの戦いにおいて凍ったザッチェン湖で描写される圧倒的な殺戮は実際には起きなかったというのが定説のようです。 昔読んだ小説と同様ではありますが、伝説級の戦ですねw
ただ、圧倒的な製作費とエキストラの数々、構図やフィルムカットを見る限りカメラの台数に至るまで想像を絶する規模であることは容易に想像出来るし、それらを時に俯瞰的に、時に兵士視点で観る臨場感と言ったら他作品に追随するものはないと言って良いでしょう。
天才的な軍略家であり時流を読む力にも長け、大衆人気も高く子宝にも恵まれない、おまけに長距離出兵で甚大な被害を被るところまで同じな、日本史でも人気を博す豊臣秀吉とどうしても比較してしまいますね。 フランスでの彼の人気の高さが窺えます。 300万人戦死させてるからどうかわかりませんが。
そう考えると、英国出身のリドリー・スコットがグラディエーターではなくナポレオンを、さらにはアメリカで製作するということに違和感を覚えてしまいますがその辺りはどうなのでしょうね。
豊臣秀吉を韓国の監督が中国で作っても観る気は全く起きないんだが。
とはいえ、ホアキン・フェニックスが冷酷な天才指揮官として戦果を上げ続けながらも、心の内では愛憎渦巻き焦燥感や不安感などを募らせるナポレオンの内面を浮き彫りに。 これはジョーカーとはまた違って凄まじい表現力を披露。
序盤のトゥーロンからワーテルローに至るまで、圧倒的な画力で引き寄せるリドリ・スコットの手腕も見事。
正直、凄まじい作品を観たなと感じています。
評価
脚本
配役
演出
音楽
映像
IMDb 6.4 / 10
ROTTEN TOMATOS Tomatometer 58% Audience 59%
metacritic METASCORE 64 USER SCORE 4.9
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