ノマドランド

ウォルト・ディズニー・ジャパンから2021年3月26日に劇場公開された「ノマドランド」の感想記事です。

ジェシカ・ブルーダーが2017年に発表したノンフィクション小説『ノマド: 漂流する高齢労働者たち』を原作とた作品です。

第93回アカデミー賞で計6部門にノミネートされ、作品賞、監督賞(クロエ・ジャオ)、主演女優賞(フランシス・マクドーマンド)を受賞した。

ジャオは有色人種の女性として初めて監督賞を受賞し、マクドーマンドは同一作品で製作者と出演者の両方としてアカデミー賞を受賞した史上初の人物となりました。

また、第78回ゴールデングローブ賞では映画作品賞(ドラマ部門)と監督賞を受賞、第74回英国アカデミー賞では最優秀作品賞を含む4部門を受賞、第36回インディペンデント・スピリット賞では最優秀作品賞を含む4部門を受賞とタイトルをまさに総ナメした作品となりました。

オススメ度4.1

あらすじ&予告編

アメリカ・ネバダ州に暮らすファーンは、リーマンショックによる企業の倒産で住み慣れた家を失ってしまう。

彼女はキャンピングカーに荷物を積み込み、車上生活をしながら過酷な季節労働の現場を渡り歩くことを余儀なくされる。

現代の「ノマド(遊牧民)」として一日一日を必死に乗り越え、その過程で出会うノマドたちと苦楽を共にし、ファーンは広大な西部をさすらっていく…

作品情報

原題:Nomadland

製作国:アメリカ(2021年)

配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン

監督:クロエ・ジャオ

本編:108分

出演:フランシス・マクドーマンド、デヴィッド・ストラザーン、リンダ・メイ、シャーリーン・スワンキーほか

レビュー

アメリカ西部の路上に暮らす車上生活者たちの生き様を、大自然の映像美とともに描いたロードムービー。

この作品の驚くべきところは、フランシス・マクドーマンドが演じるファーンと出会う車上生活者たちがエンドロールにもあるように自分の名前で出演していることです。 もはやそれを出演と言うのかもよくわからないですが、ありのままの姿で自らの過去などを語るその様はドキュメンタリー映像を観ているような感じで、ノンフィクション小説を基にしたドラマとドキュメンタリーを融合させた斬新な発想が抜群に効いていて、リアリティに大いに引き寄せられます。

アメリカでは、地方の大企業の破綻で文字通り町が消えてしまう場合もあるというのをテレビか何かで見たことがありますが、恐ろしい話だな…と思う程度でその後の人々のことを深く考えたこともなかったですが、本作は職を求めて転々と流浪の暮らしをつづける「ノマド(遊牧民)」に焦点を当て、彼女らの生き様を描いています。

きっかけはどうあれ、社会を捨てて自由に生きているかのように見える彼女らだが、行きたい場所へ行っている風な雰囲気で短期職のために移動しているようにも見え、依然として社会から抜け出すことはできないやるせ無さも感じさせられます。

哀しみや喪失感に囚われた哀愁と

果てしなく続く道路や砂漠、そしてそこに住むノマドの人生は、我々の既成概念を揺さぶるかもしれません。 そんな作品だと思いました。

評価

脚本3.5

配役5.0

演出3.5

音楽3.5

映像5.0

 IMDb 7.3 / 10

ROTTEN TOMATOS Tomatometer 93% Audience 82%

metacritic METASCORE 91 USER SCORE 7.2

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