パーマー

Apple TV+
引用元:Apple TV+

Apple TV+から2021年1月29日に独占配信された「パーマー」の感想記事です。

脚本を対象とした評価および映画製作マッチングのプロジェクトである「ブラックリスト」に、2016年に掲載されたシェリル・グエリエロ執筆の脚本を映像化した作品です。

オススメ度4.2

あらすじ&予告編

高校時代にフットボール選手として名を馳せたエディー・パーマーは、12年の刑期を終え、人生をやり直すために故郷に帰ってきた。

そこで母に見捨てられた少年サムと出会い、思いがけない絆を育むエディー。

しかし、彼の過去が新しい生活と家族に暗い影を落とすのだった…

作品情報

原題:Palmer

製作国:アメリカ(2021年)

配給:Apple TV+

監督:フィッシャー・スティーヴンス

本編:110分

出演:ジャスティン・ティンバーレイク、ジュノー・テンプル、アリーシャ・ウェインライト、ジューン・スキッブほか

レビュー

アメリカの保守的な小さな田舎町を舞台に、12年の刑期を終えて故郷に戻ってきたパーマーと、ネグレクトを受けるサムが育む”絆”を描いた作品。

ジャスティン・ティンバーレイク演じるパーマーの、自分の置かれた状況に戸惑いながらも守るものができたことで生き甲斐とも言える目的を見出し、日に日に父親目線に変わっていく姿にグッとくるのは間違いありません。

社会復帰や不遇な環境を題材にしたテーマは新鮮味はないですが、2人の運命的な出逢いと現代的とも言える多様性を描くストーリーがより深みを与え、過剰な演出がないながらも丁寧に練られた脚本をはじめとする展開が見事です。

アメリカの田舎町を取り上げることが多い差別問題の中でも、環境次第で幸にも不幸にも一瞬で転ぶ子供たちを観るのはやはり受け入れ難いですし、それらが共感を得られるような世の中だからこそこういった作品が多く出て回るのでしょう…

兎にも角にもパーマーとサムが育む友情が素敵で、思わず泣きそうになるし、心が温まる作品です。

個人的にはサブスクの中で屈指のハイクオリティを誇ると感じているApple TV+。 未だに身の回りで加入の方を見かけませんが、万人にオススメしたい作品の一つであると感じます。

The Black List

ブラックリストは、フランクリン・レナード によって2005年にランキング調査が開始され、2011年より脚本家と映画製作関係者のマッチング機能が可能となった、”注目されていない優秀な脚本家を効率的・効果的に発掘することを目的”としたユーザー登録制サイトです。

2017年10月時点で約1000本の脚本がサイト上に登録され、うち300本以上は後に映画化されて劇場公開し、アカデミー賞 (2017年2月までに264ノミネート、48受賞) やゴールデングローブ賞等の受賞作も多数誕生しました。

『スラムドッグ$ミリオネア』(2008)『英国王のスピーチ』(2010)『アルゴ』(2012)はアカデミー作品賞を受賞。 また、アカデミー脚本賞および脚色賞の常連的存在になってきていると言っても良いでしょう。

ラッセル・クロウ、ベン・アフレックなど豪華キャストが集った『消されたヘッドライン/State of Play』 (2007) – マシュー・マイケル・カーナハン著、トム・クルーズ、エミリー・ブラントのに大スター共演の『オール・ユー・ニード・イズ・キル/All You Need Is Kill』 (2010) – ダンテ・ハーパー著なども印象深いですが、個人的に最も印象深いのは、第80回アカデミー賞で作品賞を含む4部門にノミネートされ、脚本賞を受賞した『JUNO/ジュノ』 (2005) – ディアブロ・コーディ著で、エリオット・ペイジは『インセプション』(2010)、『アンブレラ・アカデミー』(2019~)に出演し、スター俳優の仲間入りを果たしていますよね~

余談になりましたが、良作が多いので今後も注目すべきであることは間違いありませんね!

評価

脚本4.5

配役4.5

演出4.0

音楽4.0

映像4.0

 IMDb 7.2 / 10

ROTTEN TOMATOS Tomatometer 71% Audience 87%

metacritic METASCORE 53 USER SCORE 7.1

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