バンダイナムコアーツから2022年5月6日に独占配信された「マイスモールランド」の感想記事です。
第72回ベルリン国際映画祭ジェネレーション部門に出品され、アムネスティ国際映画賞スペシャルメンションを贈られた作品です。
オススメ度
あらすじ&予告編
クルド人の家族とともに故郷を逃れ、幼い頃から日本で育った17歳のサーリャ。 現在は埼玉県の高校に通い、同世代の日本人と変わらない生活を送っている。 大学進学資金を貯めるためアルバイトを始めた彼女は、東京の高校に通う聡太と出会い、親交を深めていく。
そんなある日、難民申請が不認定となり、一家が在留資格を失ったことでサーリャの日常は一変する…
作品情報
製作国:日本(2022年)
配給:バンダイナムコアーツ
監督・脚本:川和田恵真
本編:114分
出演:嵐莉菜、奥平大兼、平泉成、藤井隆、池脇千鶴、韓英恵ほか
レビュー
「国を持たない世界最大の民族」と呼ばれるクルド人。 立場を追われ難民として新天地へと向かう場合も少なくない中、日本にも難民申請中のクルド人が2000人近く暮らしているという。
この難題をドキュメンタリーではなくフィクションとして描かれた本作は、作品を通して共感させられることで他人事ではなく考えられるようになっていると感じます。
監督・脚本を務めた「分福」所属で是枝裕和の監督助手を務め、本作で長編映画デビューとなる川和田恵真が的確な脚本とキャスティングで演出。 是枝裕和のカラーをしっかり受け継いでいる空気感を得られますね。 空虚さとも言うのかな。
在日クルド人が直面する理不尽な現実を見事に浮き彫りにし、日本人なら何とも思わない東京と埼玉の県境が、彼らにとっては大きな壁となっている現実を突きつける。
現役高校生でモデルでもある嵐莉奈が、本作が女優デビューとは思えない表現力でクルド人のサーリャを、「MOTHER」で好演した奥平大兼も等身大の高校生をしっかり演じている。
正直クルド人問題は難民申請の可否ではなく、迷惑系移民としての方が際立っているように感じる。 メディアの煽り方もあるのかも知れないが。
いかんせん根深い問題なのは間違いなく、社会性を問われ、かつ考えさせられる作品です。
評価
脚本
配役
演出
音楽
映像
IMDb 7.1 / 10
コメント