ビターズ・エンドから2022年5月6日に劇場公開された「マイ・ニューヨーク・ダイアリー」の感想記事です。
「ライ麦畑でつかまえて」などで知られるアメリカの小説家J・D・サリンジャーを担当する女性エージェントと新人アシスタントを描いたジョアンナ・ラコフの自叙伝『サリンジャーと過ごした日々』を原作に実写映像化した作品です。
オススメ度
あらすじ&予告編
作家を夢見るジョアンナは、老舗出版エージェンシーでJ・D・サリンジャー担当の女性上司マーガレットの編集アシスタントとして働き始める。
ジョアンナの業務は世界中から大量に届くサリンジャーへの熱烈なファンレターの対応処理。
心揺さぶられる手紙を連日読む彼女は、簡素な定型文を返信することに気が進まなくなり、ふとした思いつきで個人的に手紙を返し始める。
そんなある日、ジョアンナは、サリンジャー本人から一本の電話を受けるが…
作品情報
原題:My Salinger Year
製作国:アイルランド、カナダ(2020年)
配給:ビターズ・エンド
監督:フィリップ・ファラルドー
本編:101分
出演:マーガレット・クアリー、シガニー・ウィーヴァー、ダグラス・ブース、コルム・フィオールほか
レビュー
「プラダを着た悪魔」(2006)を彷彿とさせるグロースストーリー。
作家志望の主人公がニューヨークの出版会社に勤務するというフィクション顔負けながらも自伝が原作となっているのがこの作品の根幹と言って良いでしょう。
プラダを着た悪魔ほどのオシャレ感やコメディタッチではないが、サリンジャー本人と電話をしたり、彼宛てのファンレターに返事をするなど事実に基づいているとともに、圧倒的に文学的な要素を多分に含んだ作品です。
主人公がサリンジャーではなく、読者の言葉に心を揺さぶられるというのが面白く、夢の大きさゆえに志を見失う若者の葛藤が垣間見えます。
シガニー・ウィーヴァーが本編にアクセントを添えているのも絶妙であるように感じます。
「ライ麦畑でつかまえて」を読んでいるかいないかによっても、大きく感想が分かれそうな気もしますが、凄く面白いというほどではないにしろ入り込みやすい良作であると思います。
評価
脚本
配役
演出
音楽
映像
IMDb 6.5 / 10
ROTTEN TOMATOS Tomatometer 71% Audience 62%
metacritic METASCORE 50 USER SCORE 6.2
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