マイ・ブロークン・マリコ

ハピネットファントム・スタジオ、KADOKAWAから2022年9月30日に劇場公開された「マイ・ブロークン・マリコ」の感想記事です。

無料のWebコミック『Comic BRIDGE online』(KADOKAWA)にて、2019年7月から12月にかけて4話連続で掲載され、爆発的な話題を呼んだ平庫ワカの同名コミックを原作とした実写映画化作品です。

オススメ度3.6

あらすじ&予告編

鬱屈した日々を送っていた会社員・シイノトモヨは、親友のイカガワマリコが亡くなったことをテレビのニュースで知る。

マリコは幼い頃から、実の父親にひどい虐待を受けていた。 そんなマリコの魂を救うため、シイノはマリコの父親のもとから遺骨を奪うことを決意。 マリコの父親と再婚相手が暮らす家を訪れ、遺骨を強奪し逃亡する。

マリコの遺骨を抱き、マリコとの思い出を胸に旅に出るシイノだったが…

作品情報

製作国:日本(2022年)

配給:ハピネットファントム・スタジオ、KADOKAWA

監督:タナダユキ

本編:85分

出演:永野芽郁、奈緒、窪田正孝、尾美としのり、吉田羊ほか

レビュー

くたびれたOLと遺骨の異色バディで送るロードムービー調の作品。

原作の良さをしっかりと落とし込んだ映像化。

永野芽郁のキャラ作りは、撮影開始3~4ヶ月程前からニコチン・タール他の有害物質を一切使用しない美容タバコを吸う練習を始め、作中愛用するドクターマーチンの靴は11ヶ月程前から履きつぶすまで過ごしたと言うのだからもう感嘆せずにはいられない。

そして奈緒のブロークン具合も絶妙。

窪田正孝もどこか悲壮感漂う闇が滲み出る役柄をしっかり演じていて脇を支え、キャストあってのクリティは言うまでもないでしょう。

ダークなテーマをしっかり引き合いにしつつも、これぞ日常からの逸脱、旅とはこういうものだとどこか王道であるかのように感じるのは脚本家の上手さなのか。

スタートからラストまで何故か目が離せないカット回しと、読み手の解釈に委ねる終わり方は色々と考えさせられるものがある。

他人事ではないリアルさがどこか胸を締め付け、かつ自分に置き換え寂しさをも助長する秀作であるように感じます。

評価

脚本3.5

配役5.0

演出3.5

音楽3.0

映像3.0

 IMDb 6.3 / 10

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