ワーナー・ブラザースより2024年5月17日に劇場公開された「ミッシング」の感想記事です。
オススメ度
あらすじ＆予告編
沙織里の娘・美羽が突然いなくなった。 懸命な捜索も虚しく3カ月が過ぎ、沙織里は世間の関心が薄れていくことに焦りを感じていた。 夫の豊とは事件に対する温度差からケンカが絶えず、唯一取材を続けてくれる地元テレビ局の記者・砂田を頼る日々。
そんな中、沙織里が娘の失踪時にアイドルのライブに行っていたことが知られ、ネット上で育児放棄だと誹謗中傷の標的になってしまう。 世間の好奇の目にさらされ続けたことで沙織里の言動は次第に過剰になり、いつしかメディアが求める“悲劇の母”を演じるように。
一方、砂田は視聴率獲得を狙う局上層部の意向により、沙織里や彼女の弟・圭吾に対する世間の関心を煽るような取材を命じられてしまう…
作品情報
製作国:日本（2024年）
配給: ワーナー・ブラザース
監督・脚本:田恵輔
本編:119分
出演:石原さとみ、青木崇高、森優作、有田麗未、小野花梨、小松和重、細川岳、カトウシンスケ、山本直寛、柳憂怜、美保純、中村倫也ほか
レビュー
娘の失踪事件をきっかけに、情報の荒波に巻き込まれ翻弄されていく母親とその家族たちの姿を描いた作品。
子どもが行方不明になった夫婦の再生を軸に、報道姿勢の大きな問題を盛り込むことで深みある作品となっています。
表現しづらいが現代社会の生んだ”歪さ”が見事に表現されている構成の上手さが光るとともに、キャスティングにも余念がありません。
石原さとみ演じる母親は世間の心無いバッシングを受けることで切迫感極まったヒステリックさをしっかり体現しているし、中村倫也の無力感溢れる表情も良い。 個人的には森優作の演技力に釘付けにされました。
報道姿勢に疑問を呈しながらも唯一報じ続けてくれるテレビ局に対し藁にも縋る思いをぶつけるも、結局のところ事件解決に繋がらない残酷なリアルが突き付けられる様は、なんとも心苦しさが滲んでいます。
感謝を伝える。 シンプルで当たり前なことが希望となり得るラストは印象的です。
評価
脚本
配役
演出
音楽
映像
IMDb 6.5 / 10
