ラスト・チャンス : バスケ編

BASKETBALL
引用元:Netflix

Netflixから2021年3月10日に独占配信された「ラスト・チャンス : バスケ編」の感想記事です。

オススメ度4.4

あらすじ&予告編

イースト・ロサンゼルスのバスケで有名大学への編入を夢見る若者たちと、強い信念を持って指導するコーチを追う…

作品情報

原題:Last Chance U: Basketball

製作国:アメリカ(2021年)

配給:Netflix

本編:全8話

レビュー

舞台はEast Los Angeles College。

ハスキーズのヘッドコーチを務めるジョン・モズリーによる熱心な指導のもと、さまざまな問題を抱えた選手たちが所属するチームがそれぞれの目標を叶えるための努力の日々が描かれています。

予告編でコーチがロッカーを殴りながら鼓舞するシーンやなどが見受けられますが、ほぼ全編に渡って怒号が飛び交いますw

教育熱心であり信仰に厚いコーチに当てられ、選手たちのプレイヤーとしてだけではなく人間としての成長も見られるとともにカリフォルニア州を勝ち上がるサクセスストーリーながら、登場人物のバックボーンに迫るドキュメンタリーは感情移入しやすく、ゲームも挟むので全8話をテンポ良く観進められます。

見た目やバスケのレベルで忘れがちになってしまいますが、練習や試合で感情が抑えられなかったり、親睦を深めるために行った携帯電波の届かない山小屋でのレクリエーションでコーチの真似をして大盛り上がりする生徒たちをみて、見た目は大人だけどやっぱり子供なんだなぁ〜と改めて等身大の学生を舞台にしたドキュメンタリーだと途中で気付かされます笑

NBAなどの華やかな舞台が目立つ一方で、その前身であるNCAAのDivision1にも入れないながらもそのバスケの技術は日本の比ではなく、観ていて唸らされます。

日本ならB1のトップ選手ですね〜笑

引用元:Netflix

息抜きとはいえ、大事なプレーオフ前日にボウリングはどうなんだろうw

自分だと前腕が張っちゃうんだけど…

 

学業的に問題を抱えた子や地域に不良が多かったり性格的な問題だったりと大学への進学が難しく、夢を諦めきれず燻った選手が多いため、非常に個性的な面々で、そこがまた面白いな〜と思います。

貧困や人種、銃社会などのアメリカの社会問題が無残にも子供たちに襲い掛かっていることを取り上げる題材はNetflixの得意分野ですから、今後も発信し続けてより良い方向へ結びつけて欲しいものです。

同様にNetflixでも、片田舎の先住民が多い地域の高校生を題材にしたドキュメンタリー「バスケがすべて」も非常に面白かったです。

 

本作で1番に感心したのは、ジョンのコーチング力です。

小・中学生のバスケのコーチをしたりもしますが、子どもたちのやる気スイッチは本当にどこにあるかわからないw ましてや高校生や大学生なんて…

かなりの檄は飛ばしつつも汚い言葉は使わないし、間違ったことも言っていない。 あくまで教育の一環であるとともに、アツいハートで体当たりしていくその姿勢には脱帽です。

作中でも述べていましたが、どうしようもない時は”愛”だ的な表現は信心深くないので響きにくかったですが、とても勉強になります。

最終的には州大会出場を果たしますが、運悪くCOVID-19の影響を受け中止で志半ばでシーズンを終えました。

選手やコーチたちの無念で泣き崩れる様子にかける言葉もないですが、彼らならそれすらも糧にして成長していけると思えるくらいにいつの間にかファンになっていました。

選手たちの詳細とその後(2022現在)

デショーン・ハイラー : サクラメント州立大学

#11 Guard  6′ 2″ 180 lbs

Sacramento State Hornets   ESPN

2021-2022シーズンは平均22.4分の出場時間ながらFG%が良くないため、数試合観ましたがなかなかD1では苦労してそうです。

PGでゲームをコントロールしている感じはとても見受けられます。

ジョー・ハンプトン : ロング・ビーチ州立大学

#24 Forward 6′ 8″ 250 lbs

Long Beach State Beach ESPN

卓越したフィジカルと決定力は今も健在で平均20分以下ながらインサイドでの得点やDF面での貢献が多いジョー。

ファールも多めですが、プレイに安定感が増している感じはあります。

KJ・アレン : USC(南カリフォルニア大学)→テキサス工科大学

#21 Forward 6′ 6″ 255 lbs

Texas Tech Red Raiders ESPN

ドキュメンタリー撮影後の大学進学で選択したUSCからより強豪であるテキサス工科大学に再編入し、昨季はあまり出場機会に恵まれていません。

ただ今年レブロン・ジェームズとデマー・デローザンが出場し話題となったプロアマリーグのドリューリーグで現役NBA選手でありインディアナ・ペイサーズのエースガードでもあるタイリース・ハリバートンと一緒のチームで出場しています。

NBAのオファーが無くとも外国であればいくらでもチームを選べるレベルの選手ですよね〜

カモンJAPAN!

マリク・モハメド : 中央ミシガン大学→サザン・ユタ大学

#25 Forward 6′ 9″ 235 lbs

Southern Utah Thunderbirds ESPN

マリクもKJ同様に再編入しなかなかプレイタイムをもらえていませんが、中央ミシガン大学ではかなり活躍していました。

また、ゴール下の合わせやリムブロッカーとしての役割では高い能力を発揮しているように見受けられます。

頑張れ〜!

 

その他の選手もD1で揉まれ、バスケもそうですが人間的にも大きくなってまた話題になってメディアに出てきてくれると嬉しいですね。

もはや親心的な感じになってしまいますが、こういったドキュメンタリーシリーズをどんどん作って欲しいものですw

評価

脚本4.0

配役5.0

演出4.0

音楽4.0

映像5.0

IMDb 8.3 / 10

ROTTEN TOMATOS Tomatometer 100% Audience 90%

metacritic METASCORE 90 USER SCORE 4.0

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