ウォルト・ディズニー・ジャパンから2023年6月9日に劇場公開された「リトル・マーメイド」の感想記事です。
ハンス・クリスチャン・アンデルセンのおとぎ話『人魚姫』(1837)を基にした1989年のディズニーの同名アニメーション映画の実写映像化作品です。
オススメ度
あらすじ&予告編
美しい歌声をもち、人間の世界に憧れている人魚アリエル。
掟によって禁じられているにも関わらず、ある日彼女は人間の世界に近づき、嵐に遭った王子エリックを救う。
この運命の出会いによって、人間の世界に飛び出したいというアリエルの思いは、もはや抑えきれなくなる。
そんな彼女に海の魔女アースラが近づき、恐ろしい取引を申し出る。
それは、3日間だけ人間の姿になれる代わりに、世界で最も美しい声をアースラに差し出すことだった…
作品情報
原題:The Little Mermaid
製作国:アメリカ(2023年)
配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
監督:ロブ・マーシャル
本編:135分
出演:ハリー・ベイリー、メリッサ・マッカーシー、ジョナ・ハウアー=キング、ハビエル・バルデムほか
レビュー
言わずと知れたおとぎ話『人魚姫』、そしてそれを基にしたディズニーが誇る名作アニメ『リトル・マーメイド』(1989)の実写映像化作品。
キャスティングやキャラデザイン、そして昨今の実写化を繰り出すディズニーに対し多くの人々と同様に懐疑的な印象を受けていました。
『アラジン』(2019)ではまずまずの印象も、Disney+で配信された『ピノキオ』(2022)、そして『ピーター・パン&ウエンディ』(2023)ではやってくれたな…という印象が大きかったですw
しかし、実際は冒頭から映像美に引き込まれ、ミュージカルシーンは鳥肌ものw
アニメ版のリトル・マーメイドを散々観尽くしたため、踏襲されたストーリーに中盤でやや既視感満載モードに入りそうにはなりますが、ほぼ全てのシーンで上を行かれました。
陸の世界と、そこに住む人間へのとめどもない好奇心と憧れを綴った名曲「パート・オブ・ユア・ワールド」を歌い上げるアリエル演じる新人女優”ハリー・ベイリー”の圧倒的表現力と歌唱力は抜群!!
「アンダー・ザ・シー」もCGだからこそ出来るであろう観たことの無い動きをする海の生き物たちのカーニバルに!!
その他にもアニメ版よりスケールアップした、そして新しいナンバーを加えたミュージカルシーンは必見であるように感じます。
どうしても映像面では髪の浮遊感や海中の遊泳シーンで『アクアマン』(2019)には劣るように見える気がしてしまいましたが、テイストが違うのでそれは置いときましょうw
個人的には”ハビエル・バルデム”の表現力が素晴らしく、『ノーカントリー』(2007)や『007 スカイフォール』(2012)などで演じた悪役のイメージとは打って変わって、親心に溢れたトリトン王を熱演。 親心がわかる歳になってしまったからか沁みましたw
セバスチャンがめっちゃカニ!!だったり、フランダー細っっっ!!と思うのももはやご愛嬌w
社会問題的な背景や多様性を多分に取り入れ、親心でラストを綴ったアニメ版よりも少し大人向けになった本作は、キッズにしてみたら「私の知っているアリエルじゃなーい」的な感じになるかもしれませんが、個人的には大満足の秀作であるように感じます。
むしろこんなご時世だからこそ、社会問題や多様性を前面に押し出すためのリメイクなんでしょうね。 深いですね…
アニメーション版よりも遥かに長く、近年製作されたディズニーの実写リメイク映画の中では最も長い135分の上映時間ながら、一切無駄なシーンがないと思える作品です。
アニメ版のファンで、特に迷っている方に大手を振ってオススメしたいと感じました。
評価
脚本
配役
演出
音楽
映像
IMDb 7.2 / 10
ROTTEN TOMATOS Tomatometer 68% Audience 94%
metacritic METASCORE 59 USER SCORE 2.2
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