トリウッドから2023年6月23日に劇場公開された「リバー、流れないでよ」の感想記事です。
ヨーロッパ企画制作によるオリジナル長編映画で、『ドロステのはてで僕ら』(2020)に続く第2弾。
オススメ度
あらすじ＆予告編
冬の京都、貴船にある老舗料理旅館「ふじや」。
仲居のミコトは別館裏の貴船川のほとりで佇み、こぶしをそっと握って何か物思っている。
まもなく仕事に戻り、番頭と部屋の後片付けをするが、気づくとなぜか2分前にいた貴船川のほとりに何度も戻ってしまう…
作品情報
製作国:日本（2023年）
配給:トリウッド
監督:山口淳太
本編:86分
出演:藤谷理子、永野宗典、角田貴志、酒井善史、諏訪雅、石田剛太、中川晴樹、土佐和成、鳥越裕貴、早織、久保史緒里、本上まなみ、近藤芳正ほか
レビュー
京都の奥座敷として知られる冬の貴船の老舗旅館を舞台に、繰り返す2分間のループに巻き込まれ抜け出せなくなってしまった人々の群像劇。
2分という短いタイムループで繰り広げられるスピード感ある展開をはじめ、発想から工夫まで面白おかしくハマっていて最後まで飽きることなく楽しめます。
製作や脚本のスキルに感心しきってしまうのはもちろんのこと、舞台となっている古びた旅館を最大限動き回る2分の長回しカットの羅列が抜群に活きているように感じます。
設定勝ちではあるものの、京都を舞台としながら敢えて方言を使わないというのはどうなのだろうか。 個人的にはなんとも思わないが、関西圏の人にとってはノイズは大きそうな気もしてならない。
文化をはじめとしたグルーヴ感がもたらす大きさを敢えて排除する感じが良い方に作用しているのは、自分が関東圏だからなのかどうなのかは置いとくと秀作であると言って良い。
ヨーロッパ企画がもたらす劇団ぽさも良くて、舞台で観てみたいとすら思いました。
それにしてもコメディに徹する形で、人命に関わるネタを減らしたらどうだったのか非常に気になるw シリアス味が薄れて感動味が増すかもと感じるのは安易でしょうかw
兎にも角にもオススメしたいひと作なのは間違いないです。
評価
脚本
配役
演出
音楽
映像
IMDb 6.9 / 10
ROTTEN TOMATOS Tomatometer 90% Audience 90%
metacritic METASCORE 79 USER SCORE 7.3
