エイベックス・ピクチャーズから2024年6月28日に劇場公開された「ルックバック」の感想記事です。
大人気シリーズ「チェンソーマン」で知られる藤本タツキが、2021年に「ジャンプ+」で発表した読み切り同名漫画の劇場アニメ化作品です。
オススメ度
あらすじ&予告編
学生新聞で4コマ漫画を連載し、クラスメイトからも称賛されている小学4年生の藤野。
そんなある日、先生から、同学年の不登校の生徒・京本の描いた4コマ漫画を新聞に載せたいと告げられる。
自分の才能に自信を抱く藤野と、引きこもりで学校にも来られない京本。 正反対な2人の少女は、漫画へのひたむきな思いでつながっていく。しかし、ある時、すべてを打ち砕く出来事が起こる…
作品情報
製作国:日本(2024年)
配給:エイベックス・ピクチャーズ
監督:押山清高
本編:58分
出演:河合優実、吉田美月喜ほか
レビュー
チェンソーマンの大ファンとして前情報なしで鑑賞しましたが、非常に感慨深い映像体験となったのは間違いないです。
映画に多大な影響を受けオマージュを盛り込む手法は本作でも効いていて、作中にパッケージの背景らしいものが描かれている『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』(2019)が取り入れられています。
また、雨に打たれながら喜んでいる場面を『ショーシャンクの空に』(1994)、終盤にパラレルワールドが描写されている点を『ラ・ラ・ランド』(2016)、漫画が藤野と京本の未来に大きく影響している点を『バタフライ・エフェクト』(2004)、事件発生後の藤野と事件発生前の京本がドアの隙間をすり抜けた4コマ漫画を介して繋がっている描写を『インターステラー』(2014)との共通点として挙げられますが、どれもこれも映画好きなら誰もが知る名作のオマージュで、観た人が気付くレベルに仕向けているのが堪らないところです。
そして、劇中の事件は2019年7月18日に発生した京都アニメーション放火殺人事件がモデルでしょう。
悔しさややり切れなさ、どれだけの研鑽を積み重ねてきたものを思い込みで台無しにしているのか。 そんな訴えを感じずにはいられませんね…
あえて手描きの背景動画で作り込むこだわり、物語には収まらない”絵描き”に対する賛美溢れる作品です。
評価
脚本
配役
演出
音楽
映像
IMDb 7.9 / 10
ROTTEN TOMATOS Tomatometer 100% Audience 99%
metacritic METASCORE 90 USER SCORE 8.0