ロキ

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引用元:Disney+

Disney+から2021年6月9日に独占配信された「ロキ」の感想記事です。

マーベル・スタジオが制作するマーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)のドラマシリーズ第三弾で、同フランチャイズの映画と連続性を共有し、映画『アベンジャーズ/エンドゲーム』(2019年)の後を舞台にした『ワンダヴィジョン』、『ファルコン&ウィンター・ソルジャー』に次ぐ作品です。

また、最終話にて続編の作製が発表されており、Disney+オリジナルのMCUテレビドラマシリーズにおいて、シーズン2が制作される事を明言したのは本作が初めてとなります。

MCUでは初めてヴィランが主役に据えられた作品でもありますよね〜

オススメ度3.9

あらすじ&予告編

『アベンジャーズ/エンドゲーム』の劇中にて、アベンジャーズのタイムトラベル先の2012年のニューヨークの戦いでロキが四次元キューブを手中に逃亡し、とある砂漠に転送された。

だが、TVAのメンバーに拘束され、TVAの本部へつれていかれる…

作品情報

製作国:アメリカ(2021年)

配給:Disney+

監督:ケイト・ヘロン

本編:全6話

出演:トム・ヒドルストン、ググ・バサ=ロー、オーウェン・ウィルソン、ウンミ・モサク、タラ・ストロング、サッシャ・レイン、ソフィア・ディ・マルティーノ、リチャード・E・グラント、ジョナサン・メジャーズほか

レビュー

裏切りと悪戯の神“ロキ”

トム・ヒドルストン演じるMCUのロキは、アベンジャーズのメンバーである雷神ソーの義弟で、裏切りと悪戯を愛する“邪神”です。

『マイティ・ソー』(2011年)で自身の出自を知り、かねてより嫉妬の対象となっていた義兄ソーを抹殺し、自らがアスガルドの王になろうと画策しますが、激闘の末に敗北を悟ったロキは姿を消しました。

2012年に公開された『アベンジャーズ』に、ロキは再びメインヴィランとして登場し、チタウリと手を組んで地球を侵略しにやって来ます。

ロキはエリック・セルヴィグ博士やホークアイことクリント・バートンを操り、S.H.I.E.L.D.が保管していた四次元キューブを手に入れ、その力で作り出したワームホールからチタウリを地球に呼び寄せます。 この戦いが、結果的にアベンジャーズを結成するきっかけになりました。 最終的にロキはアベンジャーズに捕らえられ、ソーとともにアスガルドへ戻ることになります。 このとき四次元キューブもまた、アスガルドで保管されることになりました。

ソー単独映画2作目『マイティ・ソー/ダーク・ワールド』(2013年)で、ロキはこれまでとは少し違った役割を担います。 『アベンジャーズ』のラストシーン以降アスガルドの牢に入れられていた彼は、それでもアスガルドの王座を狙っていました。 しかしエーテルをめぐるダーク・エルフとの戦いで心から慕っていた義母のフリッガが命を落とすと、ソーと共闘することを決意。 死闘のなかで敵と相討ちになり、ロキは絶命した……と思われたが、これも彼お得意の嘘であり、オーディンに化けて「自由になりたい」というソーの申し出を受け入れる形で、体よく彼をアスガルドから追い出すことに成功します。 ここではソーに協力するという精神的な成長を示しながらも、最終的には裏切るロキのキャラクター性が再び強調される形となりました。

これまでのソー単独作と違い、いきなりコミカルな内容になった『マイティ・ソー バトルロイヤル』(2017年)では、幼少期のエピソードも明かされ、ロキとソーの関係がこれまでになく親密に兄弟らしく描かれました。 ロキはソーやヴァルキリー、ハルクとともにヘラを倒すことに成功しますが、その直後にサノスが乗った宇宙船に遭遇。 共闘虚しく、『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』(2018年)の冒頭で今度こそ本当に命を落としました。

これまで『マイティ・ソー』と『アベンジャーズ』でメインヴィランを務め、その後『ダーク・ワールド』と『バトル・ロイヤル』、『インフィニティ・ウォー』でヒーローたちと共闘するという役割を担ってきたロキは、嘘と裏切りを重ねながらもどこか憎めないキャラクターとして、その人気を高めてきました。

そんな彼が主人公のドラマ…胸熱ですよね〜

『アベンジャーズ/エンドゲーム』(2019年)では、サノスが破壊したインフィニティ・ストーンを再び集めるため、アベンジャーズの面々は過去に戻ってそれぞれのストーンを回収することになります。 トニー・スターク、スティーブ・ロジャース、スコット・ラングの3人は、『アベンジャーズ』の戦いがあった2012年のニューヨークへ戻り、ソーが四次元キューブに収められたスペース・ストーンをアスガルドに持ち帰る前に、それを取り返そうとしていました。 しかしそこで予期せぬ出来事が起こり、捕らえられていたロキが四次元キューブを使ってワームホールから逃亡してしまう…

補足説明が多くなってしまいましたが、今回のドラマの主人公となるのは、“この”ロキです。 つまり『ダーク・ワールド』でソーと共闘する前の純然たるヴィランとしてのロキが、新たに時空を超えて活躍することになります。

ドラマでは、四次元キューブを再び盗んだ直後、ロキはタイム・ヴァリアンス・オーソリティ(Time Variance Authority=TVA)と呼ばれる組織から呼び出され、強力か消滅の選択を迫られ、タイムトラベルで実際に起きた重大な事件の“歴史”を変え、“世界の時間”を修復するという重大な任務に身を投じていきます。

『エンドゲーム』でのインフィニティ・ストーン奪還作戦から、MCUのフェーズ4では、“マルチバース”がキーポイントになると言われてきました。 時空間を隔てて複数の違った現実が存在することを示すこの設定は、どの作品から導入されていくのかファンの間で様々な憶測が飛び交う最も気になる展開でした。

そんな中、今回のドラマ『ロキ』は、『エンドゲーム』で示された『アベンジャーズ』以降のロキがたどる別の現実、つまり“マルチバース”を描く作品となっています。

上述の通り、本作の主人公となるロキは、『アベンジャーズ』以降の出来事を全く経験していない、既知のロキとは“別人”の純然たるヴィランです。

トム・ヒドルストンは再び『アベンジャーズ』直後のまだ精神的な成長を迎えていないロキを好演し、TVAの任務を通して別の現実を行き来することによる経験をし、元々同じ存在の歪んだ変異体に恋するロキを見せてくれています。

未来のロキやワニのロキなど、石を投げたらロキの変異体に当たるくらいのロキづくしのごちゃごちゃした展開には思わずニヤケてしまいますw

 

他のMCUキャラクターの別バージョンこそ存在していなかったものの、そういった未来も存在するのかもしれない、そんなサプライズにも今後期待を高めつつ次のシーズンに期待していきたいですね〜

 

 

脚本4.5

配役3.5

演出4.0

音楽3.5

映像4.0

 

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