Apple TV+から2022年9月30日に独占配信された「史上最高のカンパイ! 戦地にビールを届けた男」の感想記事です。
ベトナム戦争時、戦地に赴いた地元の仲間へビールを届けたアメリカ人男性チッキー・ドナヒューの実話を映像化した作品です。
オススメ度
あらすじ&予告編
ベトナム戦争へ赴いた地元の仲間を支援したいと考えたチッキーは、戦地へアメリカのビールを届けるという大胆な計画を実行する。
善意から始まったその旅は、チッキーの生き方も人生観も変えるのだった…
作品情報
原題:The Greatest Beer Run Ever
製作国:アメリカ(2022年)
配給:Apple TV+
監督:ピーター・ファレリー
本編:126分
出演:ザック・エフロン、ラッセル・クロウ、ビル・マーレイ、カイル・アレンほか
レビュー
戦地へアメリカのビールを届けるという大胆な計画を実行する、世間知らずの若者の無謀な冒険物語。
実話ベースの作品であることに加えて、あらすじなどから壮大な善意に満ちたストーリー展開を想像してしまうと、想像以上にノープランで荒唐無稽な冒頭から呆気に取られること間違いなしです。
しかし、それは単なる若者の虚栄心からくる浅はかな思いつきだったのかもしれないが、周囲からは常軌を逸した行動でも受け取り手によっては心が救われることもあるし、その行動があったからこそ見聞が広がり心情が変化する。 映画化されるにふさわしいというのが正直なところです。
戦争映画をこういった角度から観ることがない新鮮さは抜群。
自分の戦争への無知さや無自覚さをチッキーを通して実感するとともに、等身大の人間味溢れるチッキーに感情移入せずにはいられない。
チッキー演じるザック・エフロンは、二枚目俳優としてではなく、ヒゲを生やした世間知らずの若者を好演していて、その表情から滲み出る人柄の良さと真面目さ、アホさ、そして心情の変化を見事に表現していたように感じます。
ラッセル・クロウも重そうな身体で戦場を駆け回る熱意ある戦争記者を演じきっていて、キャストだけみても改めてこの作品への力の入れ具合がわかるほどです。
戦争に対して個人的に思うことを述べるほどの人生経験があるわけではありませんが、様々な作品を通して一貫して無益さを語る中で本作はそういったところを良く表現できているとともに、様々な角度から切り込む手腕や、ストーリー展開と演出、どこをとっても訴えるものの多い秀作であると言って良いのではないかと思います。
戦争映画としてもオススメしたいひと作となっています。
恐るべしApple TV+。
評価
脚本
配役
演出
音楽
映像
IMDb 6.8 / 10
ROTTEN TOMATOS Tomatometer 43% Audience 91%
metacritic METASCORE 39 USER SCORE 5.9
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