地面師たち

Netflixから2024年7月25日に独占配信された「地面師たち」の感想記事です。

新庄耕さんの小説「地面師たち」を原作としたドラマシリーズです。

オススメ度4.5

あらすじ＆予告編
作品情報
レビュー
評価

あらすじ＆予告編

100億円の市場価値を持つ希少な土地に目をつけた地面師詐欺集団は、あらゆる手段を使って前代未聞の巨額詐欺を成功させようとするが…

作品情報

製作国:日本（2024年）

配給:Netflix

監督:大根仁

本編:全7分

出演:綾野剛、豊川悦司、北村一輝、小池栄子、ピエール瀧、染谷将太、松岡依都美、吉村界人、アントニー、松尾諭、駿河太郎、マキタスポーツ、池田エライザ、リリー・フランキー、山本耕史ほか

地面師たち | Netflix (ネットフリックス) 公式サイト

100億円の市場価値を持つ希少な土地に目をつけた地面師詐欺集団は、あらゆる手段を使って前代未聞の巨額詐欺を成功させようとするが...。

レビュー

他人の土地の所有者になりすまし、虚偽の売却で金をだまし取る不動産詐欺を行う「地面師」の手口を描いた本作は、2017(平成29)年に住宅メーカー「積水ハウス」が、西五反田の旅館「海喜館」の土地の売買で地面師グループに約55億円をだまし取られた事件を元にしているだけに面白いだけでは済まされない。

当時話題となった知らない人はいないこの事件は、コメディにすれば「コンフィデンスマンJP」シリーズのようになるのかもしれないし、被害者目線からのやり返しにすれば「半沢直樹」シリーズのように面白おかしく作ることも出来るだろうが、大きな流れはそのままにダークな部分を露見させ、エロとグロを盛り込むことでより深みを増した作品に仕上がっているように感じます。

これはまさしくNetflixだからこそ出来る演出、そして莫大な予算を掛けたであろう超豪華キャストですよね〜

綾野剛、リリー・フランキー、山本耕史は演技力はもちろんのこと、本当に苦しい顔を作るのが上手すぎる… 　それだけでも素晴らしいのに北村一輝、ピエール瀧に悪役を演じさせたらその筋の人にしか見えないし、小池栄子の根っからの悪人になれない感じも良い。

豊川悦司のフィクサー感もバッチリで、逆に他のキャスティングが思い浮かばないくらいの人選が光ってますよね〜

ストーリーも土地をだまし取る手口とマネーロンダリングの流れを最初に描いてから、広大な土地に目をつけ展開していくため非常に分かり易いし、ヒューマンドラマを加えたことでより奥行きを出しています。

惜しむらくは効果音がしっくりこない感じが多々見受けられたことか。　と、言ってもそこまで気になるほどではないし、劇中の音楽はしっかり引き込んでくれます。

都心にお住まいの方は見慣れた風景が多いのでリアリティが増すのでは。

「BAD LANDS バッド・ランズ」(2023)のような、社会の闇を描いたクライムフィクション作品が好きな人には大手を振ってお薦めできる傑作だと感じます。