松竹/アスミック・エースから2022年6月17日に劇場公開された「峠 最後のサムライ」の感想記事です。
司馬遼太郎の長編時代小説「峠」を実写映像化した作品です。
オススメ度
あらすじ&予告編
徳川慶喜の大政奉還によって、260年余りにも及んだ江戸時代が終焉を迎えた。
そんな動乱の時代に、越後長岡藩牧野家家臣・河井継之助は幕府側、官軍側のどちらにも属することなく、越後長岡藩の中立と独立を目指していた。
藩の運命をかけた継之助の壮大な信念が、幕末の混沌とした日本を変えようとしていた…
作品情報
製作国:日本(2022年)
配給:松竹/アスミック・エース
監督・脚本:小泉堯史
本編:114分
出演:松たか子、香川京子、田中泯、永山絢斗、芳根京子、坂東龍汰、榎木孝明、渡辺大、AKIRA、東出昌大、佐々木蔵之介、井川比佐志、山本學、吉岡秀隆、仲代達矢ほか
レビュー
司馬遼太郎の同名長編小説を原作に、長岡藩家老・河井継之助を主人公に描いた本作。
歴史、特に幕末好きの方には馴染み深い”河井継之助”の、型破りな思想を持った人生の最後の1年間に焦点を絞り、美しい散りざまを描いた作品。
徳川家幕府の260年余りにも及んだ江戸時代が終わりを告げた「大政奉還」の長回しシーンから始まり、舞台は越後長岡藩に。
日本最大の内戦である「戊辰戦争」を経て、史実として侍はいなくなるわけですが、忠義を重んじ、争いが起こらないように死をも恐れず誠を尽くす姿に、まさにその”サムライ”を象徴しているのは観たもの皆が感じられるところでしょう。
時代の転換期に巻き込まれていく悲劇が、滅びの前の静寂にエモーショナルさを全開に引き出していることは間違いありません。
河井継之助を演じる役所広司の渾身の演技は言うまでもなく、妻役の松たか子との夫婦は心に染みる。
他の演者もスポットライトはあまり当たらないが、豪華キャストを踏んだんに使った思い切りの良さと、名も知れぬ演者までもが顔つき良く、手間暇かけることを厭わない姿勢で色濃く描かれています。
本格的な時代劇が少ないなと感じていた矢先に、「燃えよ剣」(2021)に本作と司馬遼太郎原作の作品が連続したのは良い機会で、これからも続いて欲しいと欲しいと偏にそう思います。
時代劇と人情作品が好きな方には是非オススメしたい作品です。
評価
脚本
配役
演出
音楽
映像
IMDb 6.3 / 10
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