Netflixから2022年10月28日に独占配信された「西部戦線異状なし」の感想記事です。
1929年のエーリヒ・マリア・レマルク原作の世界的ベストセラー長編戦争小説の2度目の実写映像化作品です。
1930年にアメリカでユニヴァーサル映画からルイス・マイルストン監督で映像化され、第3回アカデミー賞最優秀作品賞、および最優秀監督賞を受賞。
原作の母国ドイツで改めて映画化され、第95回アカデミー賞で作品賞ほか9部門にノミネートされ、国際長編映画賞、美術賞、撮影賞、作曲賞の4部門を受賞した作品です。
オススメ度
あらすじ&予告編
第一次世界大戦中の欧州。
祖国のために戦おうと意気揚々と西部戦線へ赴いた17歳のパウル。 だがその高揚感と志は、最前線の凄惨な現実を前に打ち砕かれることに…
作品情報
原題: Im Westen nichts Neues (英題:All Quiet on the Western Front)
製作国:ドイツ、アメリカ(2022年)
配給:Netflix
監督:エドワード・ベルガー
本編:148分
出演:フェリックス・カメラー、アルブレヒト・シュッヘ、アーロン・ヒルマー、モリッツ・クラウス、エディン・ハサノヴィッチ、ティボール・ド・モンタレンベール、ダニエル・ブリュール、デーヴィト・シュトリーゾフ、アドリアン・グリューネヴァルト、アンドレアス・ドゥーラー、ヤコブ・シュミット、フリードリヒ・ベルガー、ミヒャエル・ヴィッテンボルンほか
レビュー
第一次大戦に志願したドイツの新兵たちが、過酷な西部戦線で理想と現実の違いを突きつけられる作品。
前線と軍上層部の政治的駆け引きが同時進行で描かれ、人間性や感情論など一切受け付けさせない”戦争”そのものを冷たくも美しく描いています。
愛国心から年齢を偽り入隊したドイツ人青年目線で第一次世界大戦の西部戦線に於ける塹壕戦の壮絶さを描くストーリー展開に加え、国を守らんとする誇りや高揚感を大きく裏切るように軽々しく散っていく命たちを血生臭く演出する抜群の視覚効果や恐怖感を煽り立てる音楽によって、作品への没入感を加速させてくれます。
要所で雪原などの静かな描写を盛り込むなど緩急も効いていて、リアリティ溢れる戦場は圧巻です。
この後にヒトラーが現れ、第二次世界大戦が巻き起こることは歴史が語っていますが、今尚ウクライナで同様の状態にあるなど世界で終わりを迎えない戦争への不安もあり、本作が多方面から幅広い支持を得て様々な賞を受賞したのも必然と言えるでしょう。
知っている俳優はいませんでしたが、恐怖感とヒューマンドラマを演じた俳優たちの熱演が素晴らしく、実際の背景に基づく重厚なストーリーと相まった秀作だと感じました。
歴史が語る戦争という愚行の一片でも理解する上でも、観るべき作品であると思います。
評価
脚本
配役
演出
音楽
映像
IMDb 7.8 / 10
ROTTEN TOMATOS Tomatometer 90% Audience 90%
metacritic METASCORE 76 USER SCORE 7.8
コメント