雨を告げる漂流団地

ツインエンジン / ギグリーボックスから2022年9月16日より劇場公開と同時にNetflixにて独占配信された「雨を告げる漂流団地」の感想記事です。

『ペンギン・ハイウェイ』『泣きたい私は猫をかぶる』に続くスタジオコロリドの長編劇場アニメ第3弾となる作品です。

オススメ度3.2

あらすじ&予告編

夏休みのある日、航祐はクラスメイトとともに取り壊しの進む「おばけ団地」に忍び込むが、突然不思議な現象に巻き込まれあたり大海原を漂流することに…

作品情報

原題:DRIFTING HOME

製作国:日本(2022年)

配給:ツインエンジン / ギグリーボックス

監督:石田祐康

本編:120分

出演:田村睦心、瀬戸麻沙美、村瀬歩、山下大輝、小林由美子、水瀬いのり、花澤香菜ほか

レビュー

『泣きたい私は猫をかぶる』では、私生活に思い悩む思春期の少女に猫のお面をかぶせ自分の気持ちに素直になることを描き、心を掴まれた人も多かったと思います。

そんなスタジオコロリドからの長編アニメーション。

取り壊される団地を舞台に、少年少女たちの一夏の冒険が描かれました。

団地に住んだことはないですが、団地住まいのお宅に遊びに行ったり敷地内の公園で遊んだことは記憶残っています。 公園や小さい商業施設が入ったその光景は、子供ながらになんていうかそれだけで全てが完結している感じがありワクワクしました。

そんな団地に対する愛情を全面に押し出していると感じる作品です。

長い月日を経た物に神や魂が宿るいわゆる九十九神的な存在が、取り壊しされるに当たってあるべき場所に移動していく。 その過程に巻き込まれた少年少女たちが団地で大海原を漂流していく…

子ども同士のちょっとした言葉の行き違いで、お互い謝れずに気まずくなって関係が終わるなんてよくあることのように思えることが主テーマで、妙にリアリティが感じられます。

子どもっぽい子どもたちにもイライラしそうなものですが、子どもだから許せる範囲の愛嬌もあります。

かくして、団地とともに漂流するというファンタジーとそれに伴うアドベンチャーを経て、言えなかったひと言が言えて元の関係に戻る。 文章にするとなんてことないことなんですけど、誰もが経験にあるような物語がそこにはありました。

子どもだから、アニメだから、ファンタジーだから可能だった世界観。

賛否両論あるでしょうし解釈も人それぞれですが、なんか好きです。 そんな作品です。

スタジオコロリド、またチェックします。

評価

脚本3.5

配役3.0

演出3.0

音楽3.5

映像3.0

 IMDb 6.2 / 10

ROTTEN TOMATOS Tomatometer 64% Audience 78%

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