東宝東和から2021年10月1日に劇場公開された「007 / ノー・タイム・トゥ・ダイ」の感想記事です。
イーオン・プロダクションズが製作する「ジェームズ・ボンド」シリーズの第25作目で、主演のダニエル・クレイグとしては5度目の作品となります。
第94回アカデミー賞にてビリー・アイリッシュの「No Time To Die」が歌曲賞を受賞しています。
オススメ度
あらすじ&予告編
ボンドはエージェントを退き、ジャマイカで静かに暮らしていた。
しかし、CIAの旧友フィリックスが助けを求めてきたことで平穏な生活は突如終わってしまう。
誘拐された科学者の救出という任務は、想像を遥かに超えた危険なものとなり、やがて凶悪な最新技術を備えた謎の黒幕を追うことになる…
作品情報
原題:No Time to Die
製作国:アメリカ(2021年)
配給:東宝東和
監督:キャリー・ジョージ・フクナガ
本編:163分
出演:ダニエル・クレイグ、ラミ・マレック、レア・セドゥ、ラシャーナ・リンチ、ベン・ウィショー、ナオミ・ハリス、ビリー・マグヌッセン、アナ・デ・アルマス、デヴィッド・デンシック、ロリー・キニア、ダリ・ベンサーラ、ジェフリー・ライト、クリストフ・ヴァルツ、レイフ・ファインズほか
レビュー
2006年の「007 / カジノ・ロワイヤル」で6代目のジェームズ・ボンド役となったダニエル・クレイグ。
5作15年を経てついに終わりとは…感慨深いものがありますね〜
2012年のロンドンオリンピックのくだりまで話始めるとキリがないですが、金髪青目のボンドになんとなく違和感を感じながら観たカジノロワイヤルからクレイグボンドのことがずっと好きでした。
冒頭からダイナミックなカメラワークとボンドカーでのカーアクション、火薬の大量投入、世界を飛び回る007の世界観そのままながら、個人的には「スカイフォール」(2012)、「スペクター」(2015)と常に最大限のオープニングアクションと耳に残る主題歌を更新してきたイメージからすると、若干見劣りする気がしました。
ただ、前作で綺麗にスパイを引退したことを踏まえるとボーナスステージみたいなものでもあるのかと思いつつ、中身はボリュームアップし、これまでのクレイグボンド4作品を総括するような構成で、ラストの作品に相応しかったです。
シリーズ最長の2時間43分、脚本の荒さも気になるところもありますが、「スペクター」に加えてもうひと作描くのであればここまで踏み込まねばなりませんね。
歴史と伝統が長く続くキャラクターであり、時代の変化に順応しなければいけないことは必要であると思いますが、一応シリーズ全てを見ているものとしては、ボンドはもはやプレイボーイではなく、かつて愛した女性に許しを請い、新しい愛に生きようとするシリーズ史上最も人間らしく描かれたと表現して良いのではないでしょうか。
惜しむらくは脚本の荒さに加え、どこか喋ってばかりでイマイチだったラミ・マレックの悪役ぶりや、思ったほどに背景の希薄な新キャラたち、そして能面、畳、庭の石模様など不気味さを醸し出すための日系アメリカ人監督ならではの演出なのかもしれませんが、全体的に印象弱かったように感じました。
束の間の出演であったアナ・デ・アルマスはボンドシリーズに出てくる女性らしい振る舞いで非常に良かったです。
何よりもラストの演出もあり、ロス感の大きい本作。
見ない選択はないですね〜
JAMES BOND WILL RETURN
評価
脚本
配役
演出
音楽
映像
IMDb 7.3 / 10
ROTTEN TOMATOS Tomatometer 83% Audience 88%
metacritic METASCORE 68 USER SCORE 6.3
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