アニプレックスから2023年11月3日に劇場公開された「かぞく」の感想記事です。
2012年に43歳の若さで急逝した漫画家の土田世紀による未完の絶筆「かぞく」を実写映像化した作品です。
オススメ度
あらすじ&予告編
父が失踪したマコトは、母と2人で慣れ親しんだ街を離れ、新しい土地で暮らし始める。
一方、ケンジは内縁の妻ハルカとひそやかに生活しているが、ハルカはある秘密を抱えていた。
妻を亡くし2人の子どもを1人で育てるタケオは、子どもたちと海へドライブに出かける。
久々に実家に帰ってきたユウイチは、自分の名前を呼ぶ女性に森の中へといざなわれる。
4人の男の4つの家族が複雑に絡み合いながら、喪失から再生へと向かっていく…
作品情報
製作国:日本(2023年)
配給:アニプレックス
監督:澤寛
本編:82分
出演:吉沢亮、永瀬正敏、小栗旬、阿部進之介ほか
レビュー
原作漫画で描かれた5つのエピソードをもとに、澤寛監督自身の生い立ちや経験を織り交ぜながら現代の家族を包括的に描いたという背景を、4人の男の4つの家族に映し出した叙情詩的作品。
全体的に暗くまとめられた映像とセリフを多く用いずにキャストの表情で演出しきった本作は、それぞれの俳優陣が抜群のパフォーマンスを披露しているのは間違いないですし、それだけで引き込まれるには十分。 監督としては随分と振り切った演出をしているようにすら思えます。
しかし、それぞれのバックボーンを早すぎる展開で片付け、一向に収束せず最後まで行ってしまう脚本はどうなのだろうか。
想像力を働かせるというのは聞こえが良いが、ついていけない人も多いのではないかと勘繰ってしまいます。
それでも家族を失ったものの死生観をそれぞれの感覚で表現し、呼吸をはじめ表現力で抜群に演じるキャスティング、そして自然光で映える映像描写は一見の価値はあるでしょう。
評価
脚本
配役
演出
音楽
映像
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