哀れなるものたち

ウォルト・ディズニー・ジャパンから2024年1月19日に先行上映され、26日より劇場公開される「哀れなるものたち」の感想記事です。

1992年に発表されたアラスター・グレイの同名小説を基にした作品です。

オススメ度4.8

あらすじ&予告編

不幸な若い女性ベラは自ら命を絶つが、風変わりな天才外科医ゴッドウィン・バクスターによって自らの胎児の脳を移植され、奇跡的に蘇生する。

「世界を自分の目で見たい」という強い欲望にかられた彼女は、放蕩者の弁護士ダンカンに誘われて大陸横断の旅に出る。

大人の体を持ちながら新生児の目線で世界を見つめるベラは時代の偏見から解放され、平等や自由を知り、驚くべき成長を遂げていく…

作品情報

原題:Poor Things

製作国:イギリス、アメリカ、アイルランド(2023年)

配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン

監督:ヨルゴス・ランティモス

本編:141分

出演:エマ・ストーン、マーク・ラファロ、ウィレム・デフォー、ラミー・ユセフジェロッド・カーマイケルほか

レビュー

観た後にこれほど形容し難い作品に出会ったのは初めてかもしれません。

ティム・バートンの世界観にデヴィッド・フィンチャーの「ベンジャミン・バトン」(2008)を足した様な印象を受けました。

長尺と緩やかなテンポも相まって多少の忍耐は必要に感じますが、奇妙でおどろおどろしいのに魅力的でどこか心地良い様なそんな感じにさせてくれます。

大人の体を持ちながら子供の目線で世界に目を向ける主人公が、偏見や自由など様々なことを知りの成長していくストーリーは痛快であるとともに、強烈なセックス奇譚にw 手術とかのグロテスク要素でR-18かと思いきや、そっちかいと言わざるを得ないw

エマ・ストーンの幼さと美しさがより一層際立たせるハマり役であることは間違いないですし、フランケンシュタインかと思うほどの歪顔のウォレム・デフォーと、ハルクらしさを一掃したプレイボーイ感を滲み出したマーク・ラファロがしっかり脇を固めたキャスティングは見事。

エンドロールに至るまでこだわり抜いたであろう絵画的なアプローチをはじめ、ベラが着るドレスやセットなどの映像描写など、ウェス・アンダーソンの作品に負けないほどの映像美に加え、世界観をより深める不協和音がこの作品を凡作には終わらせないと語っている気がします。

評価

脚本4.5

配役5.0

演出4.5

音楽5.0

映像5.0

IMDb 8.4 / 10

ROTTEN TOMATOS Tomatometer 93% Audience 82%

metacritic METASCORE 87 USER SCORE 7.7

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