ワーナー・ブラザース・ピクチャーズから2019年10月4日に劇場公開された「ジョーカー」の感想記事です。
DCコミックス「バットマン」シリーズに登場するヴィランであるジョーカーをベースとした、「DCエクステンデッド・ユニバース」をはじめ、過去に製作された「バットマン」の映画・ドラマ・アニメーションのいずれとも世界観を共有しない独立した映画で、ジョーカーの原点を描いた内容ではあるが、本作以前の映像作品に登場しているどのジョーカーの過去でもない作品です。
R指定映画として初めて10億ドルを超えた作品でもあります。
第92回アカデミー賞では、作品賞、監督賞、脚色賞を含む最多11部門にノミネートされ、ホアキン・フェニックスが主演男優賞、ヒドゥル・グドナドッティルが作曲賞を受賞しています。
オススメ度
あらすじ&予告編
「どんな時も笑顔で人々を楽しませなさい」という母の言葉を胸にコメディアンを夢見る、孤独だが心優しいアーサー。
都会の片隅でピエロメイクの大道芸人をしながら母を助け、同じアパートに住むソフィーに秘かな好意を抱いている。
笑いのある人生は素晴らしいと信じ、ドン底から抜け出そうともがくアーサーはなぜ、狂気溢れる<悪のカリスマ>ジョーカーに変貌したのか…
作品情報
原題:Joker
製作国:アメリカ(2019年)
配給:ワーナー・ブラザース・ピクチャーズ
監督・脚本:トッド・フィリップス
本編:122分
出演:ホアキン・フェニックス、ロバート・デ・ニーロ、ザジー・ビーツ、フランセス・コンロイほか
レビュー
シリアスという言葉を映画にしたらこうなるのかという作品。
DCコミックス「バットマン」シリーズはもとい、クリストファー・ノーランのシリーズのファンであれば、今回のジョーカーで抱いた印象はヒース・レジャーのジョーカーとの違いではないでしょうか。
徹底した役づくりで不眠症となったことが死因のひとつという説も囁かれた故人は、その演技に奇しくも人生の最期が重なってしまったが、その後に第81回アカデミー賞助演男優賞を受賞を果たすなど評価もされました。
そのヒース・ジョーカーから受ける印象は一貫した”底なしの闇”ですが、本作のホアキン・フェニックス演じるジョーカーには1人の人間としての底を感じられ、共感できる部分が多々見受けられるように思います。
何度も映し出される半裸の姿に言わずと知れた不気味さが感じられ、演技とは身体でもするものなのか、と改めて映像作品の凄さを思い知りました。
これまでの作品でも本当のことは何一つ明らかにしない嘘しか言わない不気味なキャラクターであることが伏線になっているかのように、今回のジョーカーがジョーカーを名乗っているだけでジョーカーではない、さらにはこの共感できるストーリー自体すらも嘘なのかもしれない…
人間は自分の見たいものを見るという誰かの言葉のように、不満や憤りを誰かに託そうとするそんな人間の性質を利用している作品だとも考えられ、考えれば考えるほどにこちらが闇落ちしそうな気持ちになっていきます。
それもまた「ジョーカー」なのかもしれませんがw
「ハングオーバー!」シリーズなどコメディ作品の印象が強いトッド・フィリップスが作り上げたことにもカオスを感じてしまいますね笑
脚本
配役
演出
音楽
映像
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