機動戦士ガンダムNT

松竹から2018年11月30日に劇場公開された「機動戦士ガンダムNT」の感想記事です。

2010~14年にかけてOVAと劇場上映で展開され、16年にはテレビシリーズとして放送もされた「機動戦士ガンダムUC(ユニコーン)」の続編となる劇場版アニメ作品です。

宇宙世紀を舞台にしたガンダム作品の完全新作劇場映画としては『機動戦士ガンダムF91』以来27年ぶりとなる本作は、アニメ版『機動戦士ガンダムUC』以降の物語を各種メディアで展開するシリーズ「UC NexT 0100」の第1弾として製作されました。

脚本の福井晴敏が本作以前に執筆した小説版『UC』の追補小説「不死鳥狩り」をモチーフに、『UC』までの宇宙世紀を総括する内容や「戦後の戦争」を取り入れて1本の映画として再構成した内容となっています。

オススメ度2.2

あらすじ&予告編

ニュータイプの存在と権利に言及した「宇宙世紀憲章」の存在が明らかにされた「ラプラス事変」から1年。 争乱の中心にあった「ユニコーンガンダム」と呼ばれたフルサイコフレーム仕様の2機のモビルスーツは最後の戦闘で人知を超えた力を発揮し、それゆえに危険視され、封印された。

しかし、2年前に消息を絶っていたユニコーンガンダム3号機が再び地球圏に姿を現し、同機をめぐる争奪戦が勃発。

この戦いに、新たなモビルスーツ「ナラティブガンダム」が投入される…

作品情報

英題: MOBILE SUIT GUNDAM NARRATIVE

製作国:日本(2018年)

配給:松竹

監督:吉沢俊一

本編:90分

出演:榎木淳弥、村中知、松浦愛弓ほか

レビュー

誰もが知る「機動戦士ガンダム」。

世代こそ被ってはいないもののその世界観に駄々ハマりし齧り付くように全てを観た熱狂的なファンの一人と自負していますが、大ファンの小説家が全力で続きを描くとこうなることまざまざと思い知った「機動戦士ガンダムUC」(2010〜2014)。 あの感動は実に素晴らしかった。

「ローレライ」(2005)、「戦国自衛隊1549」(2005)、「亡国のイージス」(2005)と中二病全開の中学生がハマりにハマった作品の原作を手がけた福井晴敏が描く正史の延長上のストーリー。

UCで語られた、その1年後の世界を描いた展開は”思ったものとは違った”。

思ったよりも遥に”NTの定義”たるものについて語られるテーマは余りにも自分本位ですらあるように感じられました。

余りにも決めつけが過ぎ、議論の余地を残さない楽しみ甲斐のない事象設定と、それに伴って起きる大規模戦闘がファンとしても没入できず、宇宙世紀をこよなく愛してきたが故に許せない。

そしてもはや覚えていないほどに印象が薄すぎる主要キャラたち。

なんだかんだUCの大ファンとなり待ち侘びた新作で、ある種の個人的嗜好本意であるストーリーとクオリティを明らかに落としたビジュアルは、余りにも悲しい結末となってしまいました。

もはやUCで宇宙世紀の始まりと原罪を描き、NTでニュータイプの解説を。 なんてただのファンの1人がこじつけで上手いこと言ってる感がしてしまい、折角高まっていた宇宙世紀正史の延長という期待から同人誌レベルに落ちたとすら思ってしまう。

黙って「閃光のハサウェイ」の続編を待つとします。 それが良い。

評価

脚本1.5

配役3.0

演出2.0

音楽3.0

映像1.5

 IMDb 6.1 / 10

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