東宝、アスミック・エースから2016年3月12日に劇場公開された「エヴェレスト 神々の山嶺」の感想記事です。
第11回柴田錬三郎賞を受賞した夢枕獏による小説「神々の山嶺」を実写映像化した作品です。
オススメ度
あらすじ&予告編
ヒマラヤ山脈を望むネパールの首都カトマンズで、山岳カメラマンの深町誠が発見した1台の古いカメラ。 そのカメラは、イギリスの登山家ジョージ・マロリーが、1942年6月8日にエベレスト初登頂に成功したのか否かという、登山史上最大の謎を解く可能性を秘めたものだった。
カメラの過去を追う深町は、その過程で、かつて天才クライマーと呼ばれながらも、無謀で他人を顧みないやり方のために孤立した伝説のアルピニスト・羽生丈二と出会う。
深町は羽生の過去を調べるうちに、羽生という男の生きざまにいつしか飲み込まれていく…
作品情報
製作国:日本(2016年)
配給:東宝、アスミック・エース
監督:平山秀幸
本編:122分
出演:岡田准一、阿部寛、尾野真千子、ピエール瀧、甲本雅裕、風間俊介、佐々木蔵之介ほか
レビュー
言わずと知れた世界最高峰8848mのエヴェレストに挑む男たちの話。
原作が小説だから細かい心理描写が描けていない、内容が薄いとかいう人がよくいますけど、映画は映画として小説で表現出来ない部分が出せているかが争点にならなければいけないと思います。
その点において本作は邦画史に残る映画であるように自分は感じました。 自分が”岳”や”孤高の人”といった漫画が好きなことや、実際の登山経験がある故の過大評価かもしれませんが。
特筆すべきは岡田准一の演技。
ストーリーも描写も阿部寛に引っ張られ、シーンを追うごとにどんどん鬼気迫る顔になっていく。
加えてエヴェレストの圧倒的映像美が引き立てる。
これだけでもこの必見の価値ありと言って良い気もします。
ストーリー後半で深町が無酸素でエヴェレスト登頂を始めてからは圧巻でした。
「そこに山があるからじゃない。 ここに俺がいるから、山に登るんだ。」
心に響きました。
男のロマンと言ってしまえばそれまでなのかもしれません。
ある意味、狂気的な、山に取り憑かれた感じすらも漂いますが、そこが素晴らしい。
もちろん原作小説は素晴らしい作品ですし、それを否定する気は微塵もないですが、それ以上に2人の男が渾身の演技で作り上げた作品を観て欲しい、知って欲しいと心から思える作品です。
評価
脚本
配役
演出
音楽
映像
IMDb 5.8 / 10
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