Apple TV+から2023年9月29日に独占配信された「フローラとマックス」の感想記事です。
オススメ度
あらすじ&予告編
ティーンエージャーの息子マックスの反抗期に悩む、シングルマザーのフローラ。
息子を非行に走らせないため奮闘した結果、ボロボロのアコースティックギターとしがないロサンゼルスのミュージシャンにたどり着き、ほころびたダブリンの家庭にハーモニーが生まれる…
作品情報
原題:Flora and Son
製作国:アイルランド(2023年)
配給:Apple TV+
監督・脚本:ジョン・カーニー
本編:96分
出演:イヴ・ヒューソン、ジョセフ・ゴードン=レヴィット、ジャック・レイナー、オーレン・キンランほか
レビュー
『ONCE ダブリンの街角で』(2007)、『シング・ストリート 未来へのうた」(2016)のジョン・カーニーが描く、音楽が壊れかけた人間関係を再生していくアットホームムービー。
同監督の代名詞とも言える”ダブリン”x”音楽”で、ダメママがギターを学び始めたことをきっかけに反抗期の息子との親子関係を修復していく王道ストーリーは、U2ボノの娘であるイヴ・ヒューソン演じる自分を変えたいと切に願うフローラを好演し、ユーモラスな展開に心温まる作品に仕上がっています。 見事なハマり役です。
しがないLA在住のオンラインギター講師をジョセフ・ゴードン=レヴィットが抜群の色気で演じ、作品にアクセントを落とし込んでいます。 多才さが流石ですw
そんなジェフがフローラに見てほしいとリンクを送った”Both Sides Now”(青春の光と影)は、同じAppleTV+だからか同系統の作品だからのオマージュか、それとも単に良い曲だからか。 もちろん作中に合っているのですが、嬉しいオマージュに受け取ってしまいます。
17才で子供を産み、ダブリンから出ることなく女手ひとつで子育てをしてきたフローラが、自分の人生はこんなはずじゃなかった、という共感できるテーマのリアリティが効いていて、ジェフとのスクリーン越しの出会いに胸をときめかせるロマンス要素や、息子への愛を再認識する女と母の間で揺れ動く演出が抜群で、そこに音楽が入ることで良作に仕上がっています。
そして音楽がキャラクターたちを結びつけたラストは、シンプルだけど心の琴線に触れるように感じました。
いつも驚かされるApple TV+の配信映画。 日本では普及していないのが勿体無いレベルの作品が多いですが、本作もそれに違わぬオススメしたい作品となっています。
評価
脚本
配役
演出
音楽
映像
IMDb 7.1 / 10
ROTTEN TOMATOS Tomatometer 94% Audience 86%
metacritic METASCORE 76 USER SCORE 7.1
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