アマゾン・スタジオズから2020年12月4日に独占配信された「サウンド・オブ・メタル ~聞こえるということ~」の感想記事です。
第93回アカデミー賞で作品賞を含む6部門にノミネートされ、編集賞と音響賞を受賞した作品です。
なお、本作にはローレン・リドロフをはじめとして聾者の俳優が多く起用されています。
オススメ度
あらすじ&予告編
ドラマーのルーベン・ストーンは恋人のルーと一緒にバンドを組んで活動していた。
そんなある日、ルーベンは耳が聞こえにくくなっていることに気がついた。
念のため専門医を受診したところ、両耳の聴力が極端に低下しており、ルーベンはいつ聴力を失ってもおかしくない状態にあることが判明した。
ルーベンはすぐに治療を開始したが、病状は急速に悪化していった。
絶望のあまり自暴自棄になるルーベンを、ルーは聴覚障害者の自助グループのもとへ連れて行く。
彼らとの交流を通して、ルーベンは徐々に生きる希望を見出していくものの、いつまでもそこに留まり続けることに疑問を覚え、ある決断を下す…
作品情報
原題:Sound of Metal
製作国:アメリカ(2020年)
配給:アマゾン・スタジオズ
監督:ダリウス・マーダー
本編:120分
出演:リズ・アーメッド、オリヴィア・クック、ポール・レイシー、ローレン・リドロフほか
レビュー
アカデミー賞音響賞を獲得したその類稀なる音響編集によって、人生を一変する困難に直面しながらもがき苦しむ主人公に感情移入を容易にし、彼の人生を疑似体験させてもらえます。
劇中の演奏は文字通り生演奏で撮影され、映画自体も時系列で撮影するこだわりの強さを見せています。
キャストが素晴らしすぎる
主人公ルーベン演じるリズ・アーメッドは、本物の聴覚障害を体験するために様々な強さのホワイトノイズを発するカスタムメイドの装置を耳に装着し、自分の声さえも聞こえないという進行性の聴覚障害に最も近い状態をシミュレートし、撮影に挑んだようです。
さらにはドラムを一から学び、聾者コミュニティに通いASLを学ぶなどしていたようで、役柄を大事にする側面が見られますよね〜
追い込まれていくルーベンが見事に表現されていて舌を巻きます。
「ローグ・ワン / スター・ウォーズ・ストーリー」(2016)や「ヴェノム」(2018)などの好演も光る演技派俳優ですが、本作ではイスラム教徒初のアカデミー賞主演男優賞ノミネートに輝いています。
そしてルーベンと恋人のルー役を演じたオリヴィア・クックも、眉毛の脱色など見た目の印象から歌声の披露など、一見「レディ・プレイヤー1」(2018)でヒロインを演じた同一人物とは思えないキャラクターへの没入感を披露しています。
また、ルーベンを見守る中での心情を繊細に表現するなど抜群の演技力を発揮しています。
挫折から再生へ促すストーリー
激しいドラムプレーから音の無い世界へとシフトさせ、自分の状態と向き合っていくまでの過程を巧妙に演出しています。
病気や障害ではなく一つの生き方、そして”静寂”というかけがえのないものを得たことに気付いていきます。
終わった後にしっかり余韻を残してくれる作品で、観て良かったと思うこと間違いなしだと思います。
脚本
配役
演出
音楽
映像
コメント
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This was beautiful Admin. Thank you for your reflections.