松竹から2024年4月5日に劇場公開された「ブルックリンでオペラを」の感想記事です。
オススメ度
あらすじ&予告編
ニューヨーク、ブルックリンに暮らす精神科医のパトリシアと、現代オペラ作曲家のスティーブンの夫婦。人生最大のスランプに陥っていたスティーブンは、愛犬との散歩先のとあるバーで、風変わりな船長のカトリーナと出会う。
カトリーナに誘われて船に乗り込んだスティーブンを襲ったある事態により、夫婦の人生は劇的に変化していく…
作品情報
原題:She Came to Me
製作国:アメリカ(2024年)
配給:松竹
監督:レベッカ・ミラー
本編:102分
出演:ピーター・ディンクレイジ、アン・ハサウェイ、マリサ・トメイ、ブライアン・ダーシー・ジェームズ、ヨアンナ・クーリグほか
レビュー
カウンセラーはわかるとして、オペラ作曲家にタグボート船長、法廷速記人、シスターと自分にとって馴染みのない職業が並んでいるのにも関わらず、少しも物語に入り込みにくいことがない構成にまずは感服。
レベッカ・ミラーは、これまでもロールモデルにはなり得ないような”間違いを犯す人間像”を繰り返し描きながら、決して重くなりすぎずに暗さを感じさせない抜けの良さが持ち味。 本作においても浮気や情事、妬み嫉みやっかみから貧困格差などの社会問題に至るまでを軽妙な喜劇に仕立て上げています。
重いテーマをほどよく軽いタッチで描く平衡感覚が優れているだけに、少し雑味があって力業になっても味わい深く受け入れられるし、物語の帰結としてのハッピーエンドと劇中劇であるオペラのバッドエンドが二重写しになっているのは食えない監督だなぁと感じさせられます。
アン・ハサウェイはその美貌を終盤に更に輝かせるし、ピーター・ディンクレイジだからこその味わいも存分に楽しめます。
それにしても邦題はどういった決め方なのだろうか… タイトルに惹かれた部分もあるが、いかんせん映画の内容と合っていない。 もちろんオペラが重要なファクターであることは間違いないが、タイトルに入れるほど強調するべきだろうか疑問なところです。
Selfishにぶつかり合いながら、しがない人間模様が雪だるま式に負の連鎖として積み重なっていく模様を、ドタバタコメディにしっかり昇華されている良作です。
評価
脚本
配役
演出
音楽
映像
IMDb 6.0 / 10
ROTTEN TOMATOS Tomatometer 47% Audience 72%
metacritic METASCORE 53 USER SCORE 6.4