ミナリ

ACADEMY AWARDS
引用元:映画「ミナリ」公式サイト

ギャガから2021年3月19日に劇場公開された「ミナリ」の感想記事です。

第93回アカデミー賞ではユン・ヨジョンが韓国出身の俳優として史上初、アジア人としては1957年の映画『サヨナラ』のナンシー梅木以来、63年ぶり2人目となる助演女優賞を受賞しています。

オススメ度3.2



あらすじ&予告編

農業での成功を目指し、家族を連れてアーカンソー州の高原に移住して来た韓国系移民ジェイコブ。

荒れた土地とボロボロのトレーラーハウスを目にした妻モニカは不安を抱くが、しっかり者の長女アンと心臓を患う好奇心旺盛な弟デビッドは、新天地に希望を見いだす。

やがて毒舌で破天荒な祖母スンジャも加わり、デビッドと奇妙な絆で結ばれていく。

しかし、農業が思うように上手くいかず追い詰められた一家に、思わぬ事態が降りかかり…



作品情報

原題:Minari(미나리)

製作国:アメリカ(2020年)

配給:ギャガ

監督:リー・アイザック・チョン

本編:115分

出演:スティーヴン・ユァン、ハン・イェリ、アラン・キム、ノエル・ケイト・チョー、ユン・ヨジョンほか



レビュー

1980年代のアメリカ南部を舞台に、韓国出身の移民一家が理不尽な運命に翻弄されながらもたくましく生きる姿を描いたホームドラマ作品。

韓国系の移民二世でアメリカの田舎町で育った監督のリー・アイザック・チョンが、自らの体験をもとにしているだけに、どこかリアリティを感じさせられるところはある。
原題の”Minari(미나리)”は朝鮮語でセリを意味し、公式サイト曰く「たくましく地に根を張り、2度目の旬が最もおいしいことから、子供世代の幸せのために、親の世代が懸命に生きるという意味が込められている」という。 ふむ…
韓国人ファミリーのストーリーゆえに多くはハングルで進行し、ゴールデングローブ賞では外国語映画部門にカテゴライズされたことが物議を醸したのも記憶に新しいが、本作は間違いなくアメリカの開拓者精神の一端を垣間見ることが出来るし、時代背景も思いっきりアメリカンドリーム真っ只中。
単純なサクセスストーリーに昇華させず、犠牲を付きまとうほろ苦さ溢れる本作は、数多いその時代をモチーフにした作品に負けずとも劣らない良作に仕上がっていると言ってよいだろう。
スティーブン・ユァン、ハン・イェリと演技派俳優が顔を揃え、ウィル・パットンの味わい深さや、祖母役のユン・ヨジョンが抜群に良いアクセントになっていて、作品全体を引き締めているのは間違いない。
ただ、等身大のストーリーでありながら全く感情移入出来ないのは、移民に馴染みのない日本人だからか、単に自分が受け入れられないだけなのか。 全然入って来なかった感じはある。



評価

脚本3.0

配役4.0

演出3.0

音楽3.0

映像3.0



IMDb 7.4 / 10

ROTTEN TOMATOS Tomatometer 98% Audience 92%

metacritic METASCORE 89 USER SCORE 8.0