野生の島のロズ

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引用元:映画「野生の島のロズ」公式

東宝東和/ギャガから2025年2月7日に劇場公開された「野生の島のロズ」の感想記事です。

2016年に出版されたピーター・ブラウンによる児童文学『野生のロボット』を原作とした作品です。

アニメ界のアカデミー賞と言われる第52回アニー賞で9部門を受賞し、第97回アカデミー賞では長編アニメーション賞など3部門にノミネートされた作品。

オススメ度3.3

あらすじ&予告編

大自然に覆われた無人島に流れ着き、偶然にも起動ボタンを押されて目を覚ました最新型アシストロボットのロズ。  都市生活に合わせてプログラミングされ、依頼主からの仕事をこなすことが第一の彼女は、なすすべのない野生の島をさまよう中で、動物たちの行動や言葉を学習し、次第に島に順応していく。

そんなある日、雁の卵を見つけて孵化させたロズは、ひな鳥から「ママ」と呼ばれたことで、思いもよらなかった変化の兆しが現れる。   ひな鳥に「キラリ」と名付けたロズは、キツネのチャッカリやオポッサムのピンクシッポら島の動物たちにサポートしてもらいながら子育てという“仕事”をやり遂げようとするが…

作品情報

原題:The Wild Robot

製作国:アメリカ(2024年)

配給:東宝東和/ギャガ

監督・脚本:クリス・サンダース

本編:102分

出演:ルピタ・ニョンゴ、ペドロ・パスカル、キット・コナー、ビル・ナイ、ステファニー・スー、マーク・ハミル、キャサリン・オハラ、マット・ベリー、ヴィング・レイムスほか

レビュー

大自然に囲まれた無人島に流れ着いた、都市生活向け最新型ロボ ットのロズが、愛情の芽生えをきっかけに運命の冒険へと導かれていく姿を描いたファンタジーアニメーション大作。
アメリカの作家ピーター・ブラウンによる児童文学「野生のロボット」シリーズを原作に、野生の島で起動した最新型ロボットが愛情の芽生えをきっかけに運命の冒険へと導かれていく姿を描いた本作は、ロボットに心は宿るのかという古典的なSF設定へのアンサーを、動物たちとの絆の中に描いた快作に。
人に奉仕するために作られたロボットが野性の島に不時着したことから渡り鳥の子どもを世話をし、プログラム以上の何かを獲得していく。 このプロセスが疑似親子の絆ものとしてとてもよく練られているとともに率直に涙を誘う。
物語の構成としては、通常なら鳥が一人前になり島を渡っていく別れがクライマックスになるところだが、本作はそこをプロットポイントにしてさらなる展開を加えている。

動物たちとロボットが絆を育む傍ら、人は限られた場所でしか生きられなくなっていて、ポストアポカリプスものとして人間以降の時代に想いを馳せている点もユニーク。

アメリカで主流になりつつあるイラストルックも取り入れたCGは、背景的にも全体的にも美しく見応えもある。

中盤から後半にかけてテーマの移行とともに失速した感じはあるものの、アカデミー賞長編アニメーション部門ノミネートは伊達じゃない質の高い良作で、映像化は成功といって良いでしょう。

評価

脚本3.0

配役3.0

演出3.0

音楽3.5

映像4.0

IMDb 8.2 / 10

ROTTEN TOMATOS Tomatometer 97% Audience 98%

metacritic METASCORE 85 USER SCORE 8.5