オットーという男

ソニー・ピクチャーズエンタテインメントから2023年3月10日に劇場公開された「オットーという男」の感想記事です。

スウェーデン発のベストセラー小説を映画化し、第89回アカデミー外国語映画賞ノミネートされた「幸せなひとりぼっち」をトム・ハンクス主演・製作でリメイクした作品です。

オススメ度3.6

あらすじ&予告編

オットーは町内イチの嫌われ者でいつもご機嫌斜め。 曲がったことが大っ嫌いで、近所を毎日パトロール、ルールを守らない人には説教三昧、挨拶をされても仏頂面、野良猫には八つ当たり、なんとも面倒で近寄りがたい…。

そんな彼が人知れず抱えていた孤独。 最愛の妻に先立たれ、仕事もなくした彼は、自らの人生にピリオドを打とうとする。 しかし、向かいの家に越してきた家族に邪魔され、死にたくても死ねない。 それも一度じゃなく二度、三度も…。 世間知らずだが、陽気で人懐っこく、お節介な奥さんマリソルは、オットーとは真逆な性格。 小さい娘たちの子守や苦手な運転をオットーに平気で頼んでくる。

この迷惑一家の出現により “自ら人生をあきらめようとしていた男”の人生は一変していく…

作品情報

原題:A Man Called Otto

製作国:アメリカ(2023年)

配給:ソニー・ピクチャーズエンタテインメント

監督:マーク・フォースター

本編:126分

出演:トム・ハンクス、マリアナ・トレビーニョ、マヌエル・ガルシア・ルルフォ、レイチェル・ケラー、トルーマン・ハンクスほか

レビュー

孤独だった男が隣人一家との触れ合いを通して再生していく姿を描いたヒューマンドラマ。

原作は北欧を中心に人気を博したベストセラー小説で、映画も作られアカデミー賞にもノミネートされる素晴らしい作品であるのは間違いなく、オリジナルへのリスペクトを忘れることなく舞台設定や文化をしっかりとアメリカンナイズすることでエンターテイメント要素を増やし、トム・ハンクスが彩りを加えることでしっかりとまとまったストーリーは、近年のハリウッド作品では減った安心感のあるヒューマンドラマ作品となっているように感じます。

町の嫌われ者を男を演じるトム・ハンクスは、口数少なく少しずつ心の内を覗かせる役を好演していて、観ていくうちにどんどん引き込まれていきます。

やや既視感強い内容に、思ったよりも刺さらなかったという心理状況もありましたが、『人は一人では生きられない。』というそんな普遍的なテーマを、隣人関係でしっかりと描いた説得力ある本作は、国や文化が違っても伝わる良作であると感じます。

評価

脚本4.0

配役4.5

演出3.5

音楽3.0

映像3.0

IMDb 7.5 / 10

ROTTEN TOMATOS Tomatometer 70% Audience 97%

metacritic METASCORE 51 USER SCORE 6.8

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