ビターズ・エンドから2023年12月22日に劇場公開された「PERFECT DAYS」の感想記事です。
第76回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品され、役所が日本人俳優としては『誰も知らない』(2004)の柳楽優弥以来19年ぶり2人目となる男優賞を受賞したほか、作品はエキュメニカル審査員賞を受賞。
第47回日本アカデミー賞で優秀作品賞、最優秀監督賞(ヴィム・ヴェンダース)、最優秀主演男優賞(役所広司)を受賞、2024年の第96回アカデミー賞で日本代表作品として国際長編映画賞にノミネートされています。
オススメ度
あらすじ&予告編
東京・渋谷でトイレの清掃員として働く平山。 淡々とした同じ毎日を繰り返しているようにみえるが、彼にとって日々は常に新鮮な小さな喜びに満ちている。
昔から聴き続けている音楽と、休日のたびに買う古本の文庫を読むことが楽しみであり、人生は風に揺れる木のようでもあった。 そして木が好きな平山は、いつも小さなフィルムカメラを持ち歩き、自身を重ねるかのように木々の写真を撮っていた。
そんなある日、思いがけない再会を果たしたことをきっかけに、彼の過去に少しずつ光が当たっていく…
作品情報
製作国:日本・ドイツ(2023年)
配給:ビターズ・エンド
監督:ヴィム・ヴェンダース
本編:124分
出演:役所広司、柄本時生、中野有紗、アオイヤマダ、麻生祐未、石川さゆり、三浦友和、田中泯ほか
レビュー
寡黙なトイレの清掃員の日々を描き、大きな事件が起きることもなく淡々と繰り広げられるストーリーが何故ここまで刺さるのだろうか。
東京の公衆トイレをクリエイティブに改修する「THE TOKYO TOILET プロジェクト」に関連した映像化をドイツのビム・ベンダースが監督を請け負った本作は、朝日や夕日に木漏れ日、公園やトイレなどの街並み、車のフロントガラスなど様々なシチュエーションで光の反射や屈折を上手く作用させ、ふとした目線に光や優しさを溢れさせる”らしさ”光る作品に仕上がっているように感じます。
また、カンヌ国際映画祭で男優賞受賞を果たしたのも十分に納得できるほどに、エグゼクティブプロデューサーも務める役所広司の演技力が優れているのはもちろん、多くを語らずに表情や仕草を自然な形で伝え、それも国境を超えるレベルで評価されたのは凄いことですね。
どうやらリハーサルを一切せずに、ドキュメンタリー映画さながら本番という最も効率的かつ演技力が試される手法を用い、わずか16日の撮影で終えたとか。
ラストの表情、あれだけで観て良かったと思えます。
評価
脚本
配役
演出
音楽
映像
IMDb 7.9 / 10
ROTTEN TOMATOS Tomatometer 96% Audience 90%
metacritic METASCORE 80 USER SCORE 8.2