GAGAから2023年5月12日に劇場公開された「TAR / ター」の感想記事です。
「アビエイター」(2004)「ブルージャスミン」(2013)でアカデミー賞を2度受賞しているケイト・ブランシェットが、第80回ゴールデングローブ賞でも主演女優賞(ドラマ部門)を受賞し、ゴールデングローブ賞通算4度目の受賞。
第95回アカデミー賞で作品、監督、脚本、主演女優ほか計6部門でノミネートされた作品です。
オススメ度
あらすじ&予告編
ドイツの有名オーケストラで、女性としてはじめて首席指揮者に任命されたリディア・ター。
天才的能力とたぐいまれなプロデュース力でその地位を築いた彼女だったが、いまはマーラーの交響曲第5番の演奏と録音のプレッシャーと新曲の創作に苦しんでいた。
そんなある時、かつて彼女が指導した若手指揮者の訃報が入り、ある疑惑をかけられたターは追い詰められていく…
作品情報
原題:Tar
製作国:アメリカ(2022年)
配給:GAGA
監督:トッド・フィールド
本編:158分
出演:ケイト・ブランシェット、ノエミ・メルラン、ニーナ・ホス、ジュリアン・グローヴァー、マーク・ストロング、アラン・コーデュナー、ソフィー・カウアー、シドニー・レモン、サム・ダグラス、ルーシー・ポール、ムラリ・ペルマルほか
レビュー
天才的な才能を持った女性指揮者の苦悩を描いた作品。
世界最高峰のオーケストラの一つであるドイツのベルリン・フィルで、女性として初めて首席指揮者に任命されたターを描いた本作は、音楽映画にありがちな感動作とはかけ離れた、やや突き放された感じを常に受けるほどに指揮者の日常が淡々と描かれています。
テーマの解釈も難しい。 キャンセルカルチャーをはじめ、同性愛や傲慢な芸術家、権力、パワハラそして人種的なもの含めて様々な要素が散りばめられているのだがどれも主題とは言えない感じ。
しかし、ケイト・ブランシェットの演技はもはやそれらを超越したところにあって、表情から指先まで圧倒されるほどの指揮や、後半追い詰められていく様も含めてキャリア最高と言っても過言ではないでしょう。
栄枯盛衰を地で描く感じは大きく伝わりますし、説明を排すことで受取手に解釈を委ねる形は取りつつも、リアリティある1人の人間ドラマとして面白い作品だと思います。
評価
脚本
配役
演出
音楽
映像
IMDb 7.4 / 10
ROTTEN TOMATOS Tomatometer 91% Audience 74%
metacritic METASCORE 92 USER SCORE 7.4
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