ワーナー・ブラザース・ピクチャーズから2020年9月18日に劇場公開された「TENET」の感想記事です。
「ダークナイト トリロジー」や「インセプション」、「インターステラー」など数々の話題作を送り出してきた鬼才クリストファー・ノーラン監督によるオリジナル脚本のアクションサスペンス超大作です。
第93回アカデミー賞授賞式にて視覚効果賞を受賞しています。
オススメ度
あらすじ&予告編
ウクライナでテロ事件が勃発。 出動した特殊部隊員の男は、捕らえられて毒を飲まされる。 しかし、毒はなぜか鎮静剤にすり替えられていた。
その後、未来から「時間の逆行」と呼ばれる装置でやって来た敵と戦うミッションと、未来を変えるという謎のキーワード「TENET」を与えられた彼は、第3次世界大戦開戦の阻止に立ち上がる…
作品情報
原題:Tenet
製作国:アメリカ(2020年)
配給:ワーナー・ブラザース・ピクチャーズ
監督・脚本・製作:クリストファー・ノーラン
本編:151分
出演:ジョン・デヴィッド・ワシントン、ロバート・パティンソン、エリザベス・デビッキ、ディンプル・カパディア、マイケル・ケイン、ケネス・ブラナーほか
レビュー
「ダークナイト」(2008)以来、IMAXカメラ撮影による圧倒的なスケール映像とCGに頼らないクラシックな絵作りが定評のクリストファー・ノーラン監督。
ノーランは過去作で常に時間をテーマにしてきたが、「メメント」(2000)の冒頭にある銃の逆再生から発展させたかのような演出で、時間の逆行が存在する世界を描き、未来の戦争を阻止するために戦うという「インターステラー」以上に優るとも劣らないSFストーリーが繰り広げられます。
ある意味で過去作を踏襲しつつも超えている上に、製作費としても過去最高。 ボーイング747を購入して爆破することで得た臨場感溢れる演出も見所の一つです。
クリストファー・ノーランにはかねてから「007」を撮りたいという話が上がっていますが、さながら本作は「007」に時間という概念を加算した秀逸な作品になっていて、第三次世界大戦を引き起こしかねない未知のツールを所有するヴィラン打倒のために世界を移動しながらそのロケーションを演出つさせつつ、美女を絡ませるという007的ルーティンを踏襲しています。
さらに何と言ってもハイウェイシーン。 バットマン映画さながらの目的物の奪取と、前進と逆行が入り乱れるカーチェイスは007に様々なものを付加した斬新さ極める演出となっています。
そしてエリザベス・デビッキ演じるキャットが191センチのスレンダーボディを惜しげもなく披露w
時間の前進と逆行が入り乱れる誰も描いことがない世界観を007に落とし込んだような作品に受け取れると共に、オファーが来ていない理由がわかるような気がしますが…w
秀逸だったのはアクション。 逆再生自体はそこまで目新しい演出ではないにしても、時間を逆行する者が同時に存在するだけでなく戦闘するというハードな内容を、ノーラン映画ならではのCGを極力使わずに撮影し、観ているものに新鮮味を存分に味合わせてくれます。
同時に時間の逆行を感じさせる何処か浮遊感漂う楽曲で、いかにも逆行しているような疑似体験している感じさえ得られます。
時間軸という概念を取っ払わなければいけない、この固定観念を破壊する行為が意外にも難しいということをこの映画を観て体感することが出来たことは、それだけでこの作品を観た価値があるのかもしれません。 そんな風に思わせてくれる作品がどれだけあるか…
今後もノーラン映画から目が離せないですよね〜
なお、2023年7月21日にユニバーサル・ピクチャーズ配給により『オッペンハイマー(Oppenheimer)』が公開予定となっています。
主演はキリアン・マーフィーで、本作はカイ・バード、マーティン・J・シャーウィンによる本『オッペンハイマー「原爆の父」と呼ばれた男の栄光と悲劇』を原作としてます。
伝記ものということでどのようになるかわかりませんが、映像・音響に拘り抜いたIMAX仕様であることは間違いないでしょうw 期待してしまいますね〜
評価
脚本
配役
演出
音楽
映像
IMDb 7.3 / 10
ROTTEN TOMATOS Tomatometer 69% Audience 76%
metacritic METASCORE 69 USER SCORE 7.4
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