ファーザー

ショウゲートから2021年5月14日に劇場公開された「ファーザー」の感想記事です。

劇作家フローリアン・ゼレールの映画監督デビュー作で、自身が2012年に発表した戯曲『Le Père 父』を原作にした作品です。

第93回アカデミー賞で作品賞を含む6部門にノミネートされ、主演男優賞(アンソニー・ホプキンス)と脚色賞を受賞しています。

オススメ度4.6

あらすじ&予告編

ロンドンで独り暮らしを送る81歳のアンソニーは認知症により記憶が薄れ始めていたが、娘のアンが手配した介護人を拒否してしまう。

そんな折、アンソニーはアンから、新しい恋人とパリで暮らすと告げられる。

しかしアンソニーの自宅には、アンと結婚して10年以上になるという見知らぬ男が現れ、ここは自分とアンの家だと主張。

そしてアンソニーにはもう1人の娘ルーシーがいたはずだが、その姿はない。

現実と幻想の境界が曖昧になっていく中、アンソニーはある真実にたどり着く…

作品情報

原題:The Father

製作国:アメリカ、イギリス、フランス(2020年)

配給:ショウゲート

監督:フローリアン・ゼレール

本編:97分

出演:アンソニー・ホプキンス、オリヴィア・コールマン、マーク・ゲイティス、イモージェン・プーツほか

レビュー

認知症側を主観から描く類をみない作品

介護側の苦労に焦点を当てた作品は多く本作にも描かれはするものの、認知症側から見た日常がいかに混乱し不安で怖いを伝える作品は初めて見ました。

人物や時間軸や場所や出来事が入り乱れて何が本当なのか分からない、もはやミステリー状態。

「老い」という普遍的なテーマを描きながらここまで夢中にさせられる脚本に舌を巻きます。

そしてアンソニー・ホプキンスの演技力は圧巻の一言。

自信と威厳たっぷりの高圧的な物言いをはじめ、幼い子供のような佇まいまでを演じる役柄がこれほどにハマっているのは、過去の役柄が伏線とでも言うように私たちの心に刻まれているからかもしれませんね。

誰よりも切実で孤独な認知症を、疑似体験しているかのような錯覚に陥る作品です。

誰もが1度は観るべき作品だと感じました。

評価

脚本4.0

配役5.0

演出5.0

音楽4.0

映像4.5

 IMDb 8.2 / 10

ROTTEN TOMATOS Tomatometer 98% Audience 92%

metacritic METASCORE 88 USER SCORE 8.6

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