犬王

アニプレックス、アスミック・エースから2022年5月28日に劇場公開された「犬王」の感想記事です。

南北朝から室町期に活躍した能楽師”犬王”に題材とした古川日出男の小説『平家物語 犬王の巻』を原作としたミュージカルアニメーション作品です。

オススメ度4.0

あらすじ&予告編

室町の京の都、猿楽の一座に生まれた異形の子”犬王”。

周囲に疎まれ、その顔は瓢箪の面で隠された。 ある日犬王は、平家の呪いで盲目になった琵琶法師の少年”友魚”と出会う。 名よりも先に、歌と舞を交わす二人。  友魚は琵琶の弦を弾き、犬王は足を踏み鳴らす。 一瞬にして拡がる二人だけの呼吸、二人だけの世界。 「ここから始まるんだ俺たちは!」 壮絶な運命すら楽しみ、力強い舞で自らの人生を切り拓く犬王。 呪いの真相を求め、琵琶を掻き鳴らし異界と共振する友魚。

乱世を生き抜くためのバディとなった二人は、お互いの才能を開花させ、唯一無二のエンターテイナーとして人々を熱狂させていく…

作品情報

製作国:日本(2021年)

配給:アニプレックス、アスミック・エース

監督:湯浅政明

本編:97分

出演:アヴちゃん(女王蜂)、森山未來、柄本佑、津田健次郎、松重豊ほか

レビュー

室町時代に人々を魅了した実在の能楽師”犬王”を、ポップスターとして描いたミュージカル系バディムービー。

能楽という取っ付きづらさ満点のテーマを題材にした想像を超える歴史作品。

ある程度イメージされる時代劇の世界観というか先入観みたいなものを完全にひっくり返したこの作品は、もちろん賛否両論あるであろうことは当然として、既成概念を完全に破壊してくれるのは間違いないでしょうw

想像の超え方が斜め上過ぎてついていくのに必死になっていたように感じていたら、観ていくうちにいつの間にかどんどん引き込まれてました。

なんか不思議で、絶対に体験したことのない面白さがそこにはあるに違いないとさえ思います。

観阿弥、世阿弥とともに三代将軍”足利義満”の愛顧を受け、二者よりも贔屓にされていたと言われているにも関わらず、その作品は現存せず、歴史にわずかにしか書き記されていない猿楽師”犬王”を解釈するということ自体凄いことですよね〜 よくそんなことを思いつく。

歴史もの、特に実在した人を描くにはあまりにもファンタジー感が強いですが、こういった切り口はなかなかお目にかかれないな〜と感心してしまいます。

そして、琵琶の音色とロックを融合させた独創性豊かな音楽は圧巻。 徐々に変化していくその音楽性は感嘆でしかない。

今までに観たことのないような斬新なアニメ作品として、一度は観てみるのも良い気がします。

評価

脚本4.0

配役4.0

演出4.0

音楽4.5

映像3.5

 IMDb 7.2 / 10

ROTTEN TOMATOS Tomatometer 91% Audience 88%

metacritic METASCORE 77 USER SCORE 8.3

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